賃貸物件の退去立会時に必ずチェックすべきポイント3選

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管理会社や物件オーナー様にもよりますが、内装工事業者へ、賃貸物件の退去立会を一任しているケースが多いのではないでしょうか?
原状回復工事は、内装工事業者である専門家に任せた方がよい」という考えのもとで任せているのかと思いますが、実はこの退去立会時にいくつかのポイントをチェックをすることで、新たな入居者様が早く決まったり、入居後のトラブルを最小限に抑えたりできるのです。このひと手間が、最終的にオーナー様の収益を高めることになります。
今回は、当社が直接退去に立会ってきた経験をもとに最も重要なチェックポイント3選を紹介します。

水回りの「水栓器具」

新しい入居者が決まった時に、修理依頼が多い部分です。この部分の点検を徹底することで、入居者の不満を減らすことができます。

ポイントは、次の部分の水漏れです。

  • キッチンの水栓器具の「根元部分」
  • 浴室のシャワーの握り手の部分
  • 浴室のシャワーとカラン(蛇口)の切り替えレバー
  • 洗濯機置き場の連結部

この4点は、入居者様が生活している中ではなかなか気付けない部分なので、退去立会時も「特に問題はない」とご回答を頂きます。しかし、しっかりとチェックすると、経年変化で水が漏れているケースが多いです。明らかな水漏れとは違うため、意外と工事業者も見落とす部分となります。

水漏れ

入居当初から、水漏れで悩まされる入居者のお顔を思い浮かべると、必ずチェックしておく必要があります。安価で修理、交換が出来る所にも関わらず、入居後となると、日程調整で、時間がかかってしまう事も多いので、この4点については必ず水のにじみをチェックしましょう。物件によっては、他の水栓器具があるため、そちらも忘れないようにしましょう。

中途半端な壁紙のクロス補修は命取り

費用を抑えるために「壁紙は全体的にきれいだから、一部分の汚れや傷は補修ですませる」という工事業者の提案を聞くことがあります。貸す側としてはなるべく費用を抑えたいという気持ちは十分理解できます。ただし、この「中途半端」な補修が、入居希望者の内覧時に大きく影響をおよぼすのです。
当社は、賃貸物件の仲介の際に、リアルなお客様の声を多数ヒアリングしています。内見の際、壁紙の補修が中途半端ですと、多くの方はその点について懸念されています。空室期間の削減のためにも、壁紙は徹底的にチェックし、完全に補修することをおすすめします。

「古く見える」部分をチェックする

このポイントが一番重要です。築20年経ったアパート、マンションの一室を見ると、最近の新築マンションと色合いや雰囲気も全然違っています。特に部屋の雰囲気に影響する床の色に注目しましょう。部屋の広さや動かせない設備については例外として、床については、工夫次第で今のインテリアのニーズに合う雰囲気を作り出せます。
20年前に求められていたお部屋と、現在のニーズは当然まったく違います。以前は、アイボリーや濃い茶の木目フローリングが主流でしたが、最近の安価でおしゃれなカラフルな家具の色合いとマッチしません。なので、そういったおしゃれ家具との親和性の高いフロアタイルを上貼りすることで、お部屋の雰囲気がガラッと違うものになります。

フロアタイルの上貼り

今回は3選に絞り込みましたが、退去時にチェックする見落としがちなポイントを紹介させていただきました。工事業者に任せっきりですと、これらの質のチェックができずに結果的に空室期間が伸びてしまい、オーナー様が損をしてしまうこともあります。
物件を担当する不動産の担当者が、退去立会に同席し、次の入居者様のため、収益性を向上できる点がないかチェックをし、そしてオーナー様へ提案を行う。入居者様にとっても、オーナー様にとっても、この流れが重要だと当社は考えています。

この記事を書いた人

廣瀬 大輔 宅地建物取引士・既存住宅アドバイザー・消防設備士乙種第6類・第1種消防設備点検資格者・第2種消防設備点検資格者

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