【管理会社が説明】台風や大雨に備える!賃貸物件のリスク対策

  • 賃貸管理

日本は、地震を始め、記録的大雨や、台風などの自然災害がとても多い国です。さらに、近年は地球温暖化による異常気象も多く発生しているので、対策を立てることも難しくなりました。 このように、いつ発生するかわからない夏の自然災害には、どう対応すればいいのでしょうか?
今回は、自然災害が賃貸物件に与えるリスクとその備えについて、事例を挙げながら、オーナー・管理会社・入居者のそれぞれの視点でどう対応していくべきか、解説いたします。

水害から守られる住宅のイメージ

夏の自然災害が建物に与えるリスクは?

雨漏り・漏水

台風・大雨による建物へのリスクとして一番に挙げられるのが、建物内・居室内への雨漏りや漏水です。 特に鉄筋コンクリート造のマンションでは雨漏りや漏水の発生頻度が高いです。
なぜなら、鉄筋コンクリート造のマンションは、木造や鉄骨造と異なり、部屋と部屋の間や共用部と専有部分の間の空間がコンクリートで作られているため、漏水が発生した際に原因箇所の特定が非常に難しくなるからです。
台風や大雨の被害が収まって、一定時間が経過したあと、漏水の症状が発覚するケースもあります。このような場合、漏水の原因が大雨によるものなのか、それとも別の部分に原因があるのか特定が難しくなります。
漏水の主な原因としては、外壁のタイルや屋根の防水塗装剤の経年劣化、コンクリートのひび割れ(クラック)から水が浸入されることが多いです。

天井からの水漏れ

電気系統への影響・全館停電

2つ目に挙げられる災害リスクは、電気系統・電力系統への影響です。 雨漏り・漏水が原因で漏電する場合もあります。例えば、外壁防水の劣化によって、雨水が電気系統に触れてしまったため、漏電するなどです。
過去に当社が対応したケースをご紹介します。ある日、入居者様より共用部分の照明がついていないとのご報告がありました。そこで、共用部分の電気系統を確認したところ、漏電ブレーカーが作動しており、停電から復旧できないという状況になっていたことがありました。
その後、専門業者による建物全体の調査が行われ、共用部分の足元灯の内部が、大雨によって水没していたことを発見。そこから漏電が発生していたのです。

停電が起きて暗くなっている室内

大雨・地震などで電力会社が一斉に電力供給を停止し、停電するというケースはよくあります。
ただ、電気系統の劣化状況は把握することが難しく、症状が起きてから不具合や劣化に気付く場合も少なくありません。
停電が建物全体に及んだ場合、入居者様が長時間にわたって電気が使用できなくなることもあります。

風害(設備の破損・落下・ガラスの割れ等)

3つ目に挙げられるリスクは風害です。 最近の台風は非常に勢力が強く、全国各地で被害が増えてきています。
鉄筋コンクリート造の建物は、暴風による全壊や大規模な破損などのリスクは比較的低いです。
しかしながら、近隣からの飛来物(庭などに置いてあるものが風で吹き飛んでくる)による建物の損傷や窓ガラスなどの破損、植栽・枝木などが倒れることはあります。
台風や大雨が来ると分かったら、周りに危険要素がないか確認し、シャッターがある場合は締めるようにしましょう。

夏の自然災害のリスクにどう備えるか?

前述した災害による建物へのリスクに備えるためには、ソフト面・ハード面両方からの備えが必要になります。
災害はいつ何時起こるかわからないため、事前に考えられるケースや事例を想定して対策を考えておき、被害を抑え、最小限にとどめる「減災」の意識が重要になります。

建物管理の面から備える

漏水や浸水は原因の特定が非常に難しいため、考えられる可能性を洗い出し、一つずつ調査・原因を特定していきます。
このような漏水などに備えるために、現在の建物の劣化状況などを調査し、適切な修繕や工事を計画的に実施していく必要があります。
建物のコンクリートや各設備・電気系統などには、一般的に目安となる耐用年数があります。
突然の出費に対応できるよう、その年数と修繕にかかる予算を計算した上で、大規模修繕や長期の修繕計画を立てるなどの対策をしましょう。
外側から見て「まだ使える」「目に見える不具合が起きていないから大丈夫」と判断するのではなく、いつ災害や外的要因などで不具合が発生するかわからないため、リスクを想定して対策していく必要があります。

ソフト面から備える

建物の維持・管理・リスクへの備えは、所有者が責任を持って行っていく必要があります。しかし、マンションやアパートのような集合住宅では、所有者だけの力ですべてをカバーすることは難しいです。
そのため、管理会社や設備維持業者、ひいては賃貸物件の入居者(借主)も含めて、物件に関わる者全員が対策意識を持つ必要があります。
具体的には、いざ災害や被害が起こったときの補償ができるように保険を確認したり、管理会社が設備維持管理や修繕の状況を把握し定期的に報告したり、日常的に入居者に向けて防災について周知すると良いでしょう。
また、入居者様ご自身での災害やリスクへの備え、防災意識を持つことも大事なので普段から主体的に取り組みましょう。

ソフト面から備える

世帯数の多い賃貸マンションの対策

世帯数の多い大規模マンションや分譲マンション、ファミリー向けマンションなどでは、災害発生時に適切な対応ができるよう、独自の備えやコミュニティなどがある事が多いです。

<例>

  • 災害発生時の備品や非常食などの計画的な備蓄や整備(居住者・世帯数分)
  • 避難経路や連絡手段の共有、情報連絡網等の整備
  • 管理会社による計画的な避難訓練などの実施
  • 管理会社体制の整備、オーナー様や居住者様との連携方法の取り決め
大規模賃貸マンション

一棟マンションのオーナー様は建物管理会社に、分譲や一戸マンションのオーナー様は管理組合や分譲建物管理会社へ、あらかじめ災害時や緊急時の対応内容や連携方法等について確認をしておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

田井 捺記 宅地建物取引士・既存住宅アドバイザー・消防設備士乙種第4類

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