社会問題になっている「喫煙」退去の時にはどうする?
- 賃貸管理
賃貸のお部屋を退去する際に、タバコを吸っていた場合、どうなるのでしょうか。
貸している大家さんにとっては、タバコによる臭いや黄ばみなどお部屋の状態に不安がよぎります。借りている人は、退去時の原状回復費用が高額になるか不安になるはずです。
そんな双方が不安を抱える点についてお答えしていきます。
賃貸物件で喫煙はしていいの?
契約書の内容によって異なります。主に2つのケースがあります。
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喫煙不可の場合
契約書の特約や禁止事項などに「喫煙禁止」という文言があります。
厳しい場合には、違約金として賃料1ヶ月が発生するため、愛煙家の方はこのような賃貸物件は避けた方がよいでしょう。 -
喫煙可の場合
実際には、喫煙可と記載している契約書は非常に少なく、「喫煙した場合には、原状回復費用を支払う」というような内容が含まれていることが多いです。
つまり、お部屋の中で喫煙したい人方は、喫煙不可の物件を避けて、退去時には原状回復費用を支払うことを覚悟しておくということになります。
大家さんよっては「喫煙不可にすることにより入居希望者の範囲が狭まるのではないか」と考える人もいます。そのため喫煙不可のお部屋が多数を占めるというわけではありません。
喫煙による原状回復費用はいくらかかる?
喫煙による原状回復工事費用は、以下の項目がかかります。
- 壁紙の全部貼替
- タバコによる臭いや黄ばみの特別洗浄
壁紙の貼替は1人暮らし用の1Kのお部屋で、15万~17万円。
特別洗浄は3万~5万円。
上記を踏まえると、合計18万~22万円の費用負担となります。
全て借主負担となってしまいますので、やはり室内での喫煙は避けた方が良いでしょう。
電子タバコを室内で吸った場合、借主の原状回復費用は?
喫煙による原状回復工事費用は、以下の項目がかかります。
- 壁紙の全部貼替
- タバコによる臭いや黄ばみの特別洗浄
基本的には喫煙に変わりはないので、借主の原状回復費用負担が発生します。
近年では電子タバコや加熱式タバコのような、従来と異なるものが出てきています。例えば、IQOS(アイコス)という製品は、臭いや黄ばみの元となるタールを発生させないため、従来のタバコと比べるとお部屋への影響は少ないという人もいるようです。
しかし、臭いに対しては個人差があるため、退去後のお部屋で臭いが付着していると判断されれば、原状回復費用を請求される可能性が高いです。
喫煙者の割合と今後の予測
1990年代は成人男性の約60%が喫煙しておりましたが、近年では喫煙に対する見直しが進んでいます。
政府としては、「がん対策推進基本計画」の中で、「2022年度までに成人喫煙率を12%とすること」を掲げております。
今後、喫煙に関する社会的な態度はますます厳しくなると予測されますので、退去時の費用トラブルを避けるためには、賃貸のお部屋の中での喫煙は避けた方がいいでしょう。