投資用物件の種類とリスクについてご説明します

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日本において、投資用不動産物件は比較的安全な資産として高く評価されています。
投資用物件にもいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。安定した収益を得たいなら、その特徴を知っておくことが大事です。
もしあなたが所有している投資用物件が、下記の説明を読んだ上で「長期的に見るとリスクが高いな」と思った場合、ほかの物件に買い換えることも検討してみてはいかがでしょうか?
それでは、投資用物件の種類と特徴についてご説明します。

一棟マンション・アパート

一棟マンション・アパート

特徴

一棟マンション・アパートは建物の大きさ(規模)によっては大きな資産を生み出すことができます。
また、資産評価にもよりますが、所有の一棟マンション・アパートを担保にさらに金融機関から借入をすることも可能です。

想定されるリスク

建物のメンテナンスや維持管理費用がかかる、突然の解約ラッシュにより賃料収入が減る可能性、空室期間が長くなるリスクなどがあります。

回避策

一棟マンション・アパートは、規模が大きくなるにつれて、リターンもリスクも両方大きくなります。ほかに投資用不動産を所有している場合はリスク分散ができるため、このような物件を所有するのには適しているのですが、そうでない場合は大きいリスクを一人で抱えることになります。
この時におすすめなのが区分マンションに買い替える方法です。
建物・エリアを分けていくつかの区分マンションを所有することで、ひとつの物件で問題が起きても、他の物件からの収益でカバーすることが可能です。
また、都内の大きい駅から近い物件であれば、空室リスクも少なくなります。

区分マンションを所有の方

区分マンションを投資用不動産として所有する際、色々リスクはありますが、一番頭を悩ませる点は、ランニングコストとなる「修繕積立金等」ではないでしょうか。
せっかく良い賃料で運用できていても、ランニングコストが上がる事で、収益性が下がってしまい、想定の利回りではまわらないという現実をよく目にします。
このような問題を事前に避けるためには、マンションの長期修繕計画に基づいて行われる大規模修繕工事の2~3年前に、別の区分マンションへ買い替えることをおすすめします。
大規模修繕工事予定の前後で工事に向けた、または次の工事に向けた計画の見直しが図られることが一般的です。 この計画見直しの際に工事に向けた一部徴収金案や修繕積立金改定案等が理事会で話し合われ、直近の総会で議案として議論されます。
このタイミングでは、所有している以上、必然的にその計画見直しに従わざるを得なくなる可能性が高くなります。この前に現在所有している物件よりも新しい建物に買い替えることで、リスクを回避する事が出来ます。

区分マンション

区分マンション

特徴

区分マンションの最大の特徴は「複数のマンションの物件を持てること」です。あるマンションで問題が発生しても、ほかのマンションの物件の収益でカバーすることが可能なため、リスク回避ができます。

想定されるリスク

投資用不動産として所有する場合は、ランニングコストとなる「修繕積立金」などが問題になることがあります。
高い賃料で入居者が入ってくれたとしても、ランニングコストが高ければ収益は減るため、想定の利回りではまわらない…という話もよくあります。この点は、一棟マンションの場合と同様です。

回避策

修繕積立金などの問題に直面した場合には、マンションの長期修繕計画に基づき行われる大規模修繕工事の2~3年前に別の区分マンションへ買い替えることをおすすめします。
大規模修繕工事の前後には、工事計画の見直しのための話し合いが行われることが一般的ですが、この話し合いの際に、一部徴収金や積立起因の改定案などが出されることがあります。
このタイミングで物件を所有していると、たとえ自分の負担が増えるような案が採用されたとしても、物件オーナーである以上はそれに従わなければいけません。
そうなる前に新しい物件に買い換えることで、このリスクを回避することが可能です。

戸建(投資用)物件

戸建(投資用)物件

特徴

戸建は区分マンションのように修繕積立金などのランニングコストがかからず、敷地内駐車場のある物件はその分賃料を高く設定できるため、近年注目を集めています。

想定されるリスク

一棟マンション・アパートと同様に、建物のメンテナンスや敷地内の清掃費用などが発生します。 また、借りている方が良い方ばかりとは限りません。隣人問題が発生するケースもあり、想像以上にリスクが発生する可能性があります。

ウィル・ビーでも戸建の入居管理を行っていますが、実際に上記のような問題はよく起きています。 また、ひとつの物件に一戸しかないため、空室期間は収益がほぼゼロとなります。

回避策

現在、投資用戸建を所有されている方で、上記のリスクを抱えている場合は、一棟アパートへの買い替えをおすすめします。
戸建てと同レベルの土地・建物として、単身者向けの4〜5戸のアパートが想定されます。
一棟アパートも建物自体のメンテナンスは必要ですが、複数の部屋があるため、空室リスクを分散させることができます。
また、単身者用の室内設備はファミリータイプよりも修理・交換費用が抑えられるメリットもあります。
※ただし、複数の部屋で、同時に問題が発生した場合は、戸建物件よりもリスクが高くなる可能性があります。

まとめ

どんな投資用不動産にもリスクは付きものです。
この記事では「買い替える」というリスク軽減策をご提案しましたが、もう1つの視点として、所有されている物件が、賃貸でお部屋探しをされているお客様に求められる物件であるのか、現在の賃貸需要に対応した設備や間取りになっているか、という根本的な部分も重要です。
この点については、改めて別の記事で発信させていただきます。

この記事を書いた人

廣瀬 大輔 宅地建物取引士・既存住宅アドバイザー・消防設備士乙種第6類・第1種消防設備点検資格者・第2種消防設備点検資格者

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