今後の賃貸物件市場における注目トレンド
- 賃貸管理
1. 家賃上昇の継続と契約更新率の上昇
首都圏では未だ募集家賃の上昇傾向が続いており、今後も続く見通しです。その影響から退去・解約数が減少し、物件の契約更新率が上昇しました。現在の住居と同じ条件では代替物件が見つからないといった現象が起きており、入居者の引っ越し控えが発生しています。そのため、特に単身者用物件(1K・1R・25㎡付近)は一度空室が発生するとなかなか埋まりにくいという傾向もあります。
2. 広めのLDK・ファミリー型ニーズの増加
物価上昇や住宅価格高騰により、マイホーム購入ではなく品質と快適さを重視する賃貸ファミリー層が拡大中です。特にカップル・社会人単身者にも支持される広め1LDK~2LDKの需要が強まっており、ファミリー向けの賃貸でも高価格帯の供給が急増しています。マイホームであれば、自分自身のライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズできますが、価格高騰からなかなか住宅購入に踏み切れない市況感の中で、賃貸物件に対するニーズや求める質・トレンドも高くなってきています。
3. 住宅に対する価値観・求めるニーズの多様化
コロナによるリモートワーク・ライフスタイルの変化、各世代間の住宅に対する価値観・ニーズ多様性・社会的な情勢の変化が住宅に対して様々な影響を及ぼしています。これにより、従来の均質的な賃貸物件から多種多様な価値観やニーズにあった物件の供給へトレンドがシフトしています。
4. DX化推進からAIへ・すべてがITで完結
いまや不動産会社も入居検討者様もすべて賃貸物件の内見から契約、その後のライフスタイルまでITで完結する状況となりました。また生成AIの登場で、不動産を取り巻く様々な局面でDX化からAIへという新たな流れも生まれてきています。
まとめ
2025年以降の賃貸市場は、価格だけではなく、価値観やニーズの変化・社会的な動向が相互に関連してまったく新しい様相へ変化していくと推測されます。不動産オーナーや不動産業者として、入居者が何に重きを置き、魅力を感じるかをキャッチし、長く継続して選ばれる魅力ある物件となるよう、ライフスタイルに寄り添ったお部屋づくりや物件の創造、コンセプトの提案等が鍵となります。