お部屋の設備機器、更新時期を迎えていませんか?

  • 賃貸管理

賃貸経営において、設備機器の管理は入居者満足度を左右する重要な要素です。エアコンや給湯器、キッチンや浴室などの水回り設備は、日々の生活に欠かせない存在であり、不具合が発生すれば入居者様の暮らしに直結する問題となります。

たとえば、真夏にエアコンが停止してしまえば、室内環境は一気に過酷なものになります。冬場に給湯器が故障し、お湯が使えない状況になれば、生活への影響はさらに深刻です。
特に寒冷期は、給湯や暖房に関するトラブルが緊急対応につながりやすく、オーナー様にとっても精神的・時間的な負担が大きくなりがちです。

設備機器は、外観だけでは劣化の進行が分かりにくいという特徴があります。
しかし、使用年数の経過とともに内部部品は確実に摩耗し、性能低下や突発的な故障リスクが高まります。一般的に、給湯器やエアコンの寿命は約10年前後といわれていますが、使用環境や頻度によってはそれより早く不具合が生じることもあります。

「まだ動いているから大丈夫」という状態は、裏を返せば「いつ止まっても不思議ではない」状態である可能性もあります。
設備トラブルは、起こってから対応するよりも、起こる前の準備こそが賃貸経営の安定につながるという視点が重要です。

水回り設備の劣化は、二次被害のリスクを伴う

エアコンや給湯器に加えて、見逃せないのが水回り設備の経年劣化です。トイレ、浴室、キッチン、洗面台などは、日常的に水を使用するため、配管や接続部の劣化が進みやすい箇所です。

水漏れは、単なる設備不具合にとどまりません。室内の床材や壁材へのダメージはもちろん、集合住宅の場合には階下への漏水被害につながる可能性があります。
結果として修繕費用が高額になるだけでなく、入居者様同士のトラブルや信頼関係の低下を招く恐れもあります。

特に注意したいのは、長期入居のお部屋です。新築時から10年以上お住まいのケースや、前回のリフォームから相当期間が経過しているお部屋では、オーナー様ご自身が設備の現状を把握する機会が少なくなりがちです。
退去時の原状回復工事まで、設備状況を詳しく確認するタイミングがないことも珍しくありません。

その結果、「故障の連絡を受けて初めて使用年数を確認する」という後手の対応になってしまうケースも見受けられます。リフォーム後であっても、10年前後が経過していれば設備機器は更新時期を迎えている可能性が高く、あらためて点検・整理を行うことが望ましいといえるでしょう。

水回り設備の劣化は、二次被害のリスクを伴う

退去時だけでなく“入居前”の視点で考える更新計画

設備更新の検討は、退去時のリフォームに合わせて行うのが一般的です。しかし、退去時に問題なく使用できていた設備が、新たな入居後1〜2年以内に故障する事例も少なくありません。

仮に入居直後に給湯器やエアコンが故障した場合、入居者様の印象は大きく損なわれます。
「入居したばかりなのに」という心理的な不満は、単なる修理対応では解消しきれないこともあります。結果として、早期退去やクレーム増加につながる可能性も否定できません。

そこで重要になるのが、使用年数を基準とした“入居前”の設備チェックです。次の入居期間を想定し、その期間中に寿命を迎えそうな設備については、あらかじめ交換を検討するという考え方です。

たとえば、すでに9年使用している給湯器をそのまま引き継ぐのか、それとも次の10年を見据えて交換するのか。この判断は、短期的な支出だけでなく、長期的な管理コストや空室リスクを含めて検討する必要があります。

設備更新を計画的に進めることは、単なる修繕費の支出ではなく、物件価値の維持・向上への投資と捉えることもできます。設備が安定している物件は、内見時の印象も良く、入居後の安心感にもつながります。

計画的な設備更新が、管理負担と空室リスクを軽減する

突発的な設備故障は、緊急対応・業者手配・入居者様への連絡調整など、多くの実務負担を伴います。また、繁忙期にトラブルが重なれば、募集活動にも影響を及ぼしかねません。

一方で、設備の耐用年数を一覧で整理し、更新時期を見える化しておくことで、修繕計画を立てやすくなります。
年間の修繕予算を平準化(特定の年に支出が集中しないよう調整すること)することも可能になり、資金計画の安定化にも寄与します。

給湯器、エアコン、水回り設備などを中心に、

  • 現在の使用年数
  • 想定される寿命
  • 過去の修理履歴

を整理しておくことで、優先順位の高い設備が明確になります。

新たな入居者様が、ご入居後すぐに10年超の設備を使用することのないよう、あらかじめ更新を検討する姿勢は、長期安定経営の観点からも非常に有効です。結果として、入居者様に安心してお住まいいただける環境づくりにつながり、クレームや早期退去の抑制、空室期間の短縮にも寄与します。

計画的な設備更新が、管理負担と空室リスクを軽減する

設備は「壊れてから考えるもの」ではなく、「壊れる前に備えるもの」です。お手元の物件について、最後に設備を更新したのはいつか、使用年数はどの程度かを、ぜひ一度整理してみてはいかがでしょうか。
計画的な設備更新は、オーナー様の管理負担軽減と、物件の競争力維持の両立を実現するための、堅実な一歩となるはずです。

この記事を書いた人

佐藤 成穂

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