物件選びの前に知っておきたい、結露・カビのチェックポイント

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内見に行くと、水回りではなく、リビングや洋室の壁面に結露の痕跡が見つかることがあります。
「きれいにリフォームされているから大丈夫」と思っていても、家具の裏や北側の壁面にうっすらとシミや黒ずみが残っているケースは少なくありません。

結露を放置するとカビの発生につながり、見た目の問題だけでなく、アレルギーやぜんそくなど健康への影響も懸念されます。
長く安心して暮らすためには、目に見えにくい“湿気と温度差”のリスクに目を向けることが重要です。そこで、今回はマンションでカビが発生しやすい場所と、購入前・入居後に意識しておきたいポイントを整理します。

「壁・窓・隅」のチェックポイント

まず重視したいのが、北側の外壁に面する部屋の状態です。北向きの壁は日照時間が短く、冬場は特に表面温度が下がりやすいため、室内との温度差が生じやすい傾向があります。

内見時、次の点を意識して確認してみてください。

  • 壁紙に波打ちや浮き、うっすらとした変色はないか
  • 部屋の隅や天井との取り合い部分に黒ずみがないか
  • 窓枠やサッシ周辺に水滴跡やカビ跡がないか
  • 床と壁の境目にシミや変色がないか

また、角住戸は外気に接する面が多くなるため、中央の住戸に比べて温度差が生じやすい傾向があります。
角部屋は採光や通風に優れる一方で、断熱性能の影響を受けやすいという側面もあるため、メリットと併せて確認しておきたいポイントです。

「壁・窓・隅」のチェックポイント

結露はなぜ発生するのか?

結露は、室内の暖かく湿った空気が、冷えた壁や窓に触れることで発生します。特に冬場は、暖房で温められた空気と外壁の温度差が大きくなるため、水滴が生じやすくなります。さらに梅雨や夏場も、湿度が高い環境では油断できません。

ここで知っておきたいのが、ヒートブリッジ(熱橋)という現象です。
ヒートブリッジとは、断熱材が連続していない部分から熱が伝わりやすくなる状態を指します。柱や梁(はり)、コンクリートの構造体などは、断熱材に比べて熱を伝えやすく、外気の影響を室内に伝えてしまいます。

結露はなぜ発生するのか?

特に以下の部分は要注意です。

  • 窓まわり
  • 壁と天井の接合部
  • バルコニーに面した外壁
  • 構造体が通るコーナー部分

築年数が古いマンションでは、現在の省エネ基準と比べて断熱仕様が簡素な場合もあります。そのため、「築年数」「構造(鉄筋コンクリート造など)」「窓の仕様(単板ガラスか複層ガラスか)」といった点も合わせて確認すると安心です。

間取りと収納計画がカビを招くこともある

カビのリスクは建物性能だけでなく、間取りや家具配置によっても大きく左右されます。

北側外壁に面した収納スペース

北側の壁に押入れやクローゼットが配置されている間取りは、湿気がこもりやすい傾向があります。収納内部は空気が滞留しやすく、さらに衣類や布団が湿気を含むことで、知らないうちにカビが発生するケースも見受けられます。

  1. このような間取りの住戸を検討する場合は、
  2. 収納内部のにおいや壁面の状態を確認する
  3. 換気口の有無をチェックする
  4. 24時間換気システム(常時微弱に換気する設備)が機能しているか確認する

といった点を押さえておくとよいでしょう。
入居後は、定期的に扉を開放して空気を入れ替える、除湿剤やサーキュレーターを活用するなど、日常的な対策が欠かせません。

大型家具の壁付け配置

外壁に接する面に本棚やタンスをぴったりと設置してしまうと、壁との間に空気が流れず、結露が生じやすくなります。
特に衣類をぎっしり収納した家具は内部も湿気がこもりやすく、「気づいたときには洋服にカビが広がっていた」という事例もあります。

家具と壁の間には数センチ程度の隙間を設け、空気が循環するスペースを確保することが望ましいでしょう。床から少し脚のある家具を選ぶのも有効です。

エリア特性と築年数も含めて総合的に判断する

利便性や価格だけでなく、周辺環境も住環境に影響を与えます。たとえば、河川に近い地域や低地エリアでは、相対的に湿度が高くなる場合があります。
また、緑地や公園が多い環境は魅力的である一方、風の通り方や日当たりによっては湿気がこもりやすいケースもあります。

もちろん、すべての物件が問題を抱えているわけではありません。しかし、築年数と断熱仕様階数(1階や最上階は外気の影響を受けやすい)方位と日照条件換気設備の有無と稼働状況といった複数の要素を組み合わせて判断することが重要です。

物件選びは「条件の足し算」だけでなく、「リスクの引き算」でもあります。購入前にしっかり確認しておくことで、入居後の想定外のトラブルを未然に防ぐことができます。

購入前の視点と入居後の工夫、その両方が快適さを守る

物件選びの際は、北側の部屋や外壁面の状態を丁寧に確認すること。そして入居後は、家具配置や日常的な換気・除湿を意識すること。この両輪が、長期的に快適な住環境を維持する鍵となります。
結露やカビは、一度広がると除去や補修に手間と費用がかかります。だからこそ、「予防」の意識が何より大切です。

住まいは、何年、何十年と暮らしていく空間です。立地や価格と同じくらい、湿気や断熱といった目に見えにくい要素にも目を向けることが、後悔しない住まい選びにつながります。
物件選びの段階から「カビにくい住まい」という視点を持つこと。それが、安心して長く暮らせるマンション住まい選びへの第一歩と言えるでしょう。

購入前の視点と入居後の工夫、その両方が快適さを守る

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