2021下半期の中古マンション販売市況の現状と歪みの現れ
- 売却
中古マンションの市場動向は、近年「売主優位」の状況が続いています。
このような状況になっている理由はいくつか考えられますが、一般的には次のようなことが要因と言われています。
借りやすい環境
政府の金融緩和措置より、金融機関から低金利で借りやすい環境になった
住宅ローンの金利が0.5%以下(変動金利)の金融機関も登場し、低金利で借りやすい環境になっています。また近年、金利そのものが横ばい、または下がる傾向にあります。
さらに、低金利にともなって住宅ローン控除の適用期間が延長されるなど、買い手が優遇されていると言っていいでしょう。
在庫の不足
借りやすい=買いやすい=購入希望者が増加 の流れにより、在庫(物件)が不足している
低金利で借りることができ、さらに住宅ローン控除が受けられることで、実質的には金利分を上回る還元がされるケースがあります。そのため、今が買い時と判断される方が増えていると予測されます。
このことから、需要と供給のバランスが不釣り合いとなり、買いたい方に対して在庫(物件)が足りていないというのが現在の状況です。
販売価格の上昇
物件が減少することで希少価値が高まり、販売価格の設定が上がっている
買いたい方が多数いるにもかかわらず物件が足りないため、物件の希少価値が高まり、これまでの成約単価を上回る状況にいたっています。
直近の中古マンションの成約㎡単価は20ヶ月連続で上昇しており、また成約単価の上昇に比例して、新規販売登録される物件の販売価格も右肩上がりを続けています。
マンションの売却ができない
価格が上がったため買い替えが困難となり、現マンション所有者が売却できない
市場全体(特に都心の中古マンション)で販売価格相場が上がることで「新しい理想の家に住み替えたいが、予算が合う物件がない」という方が増えているのではないでしょうか。
いくら高く売れるとはいえ、次の住み替え場所が見つからないということを考えると、現在マンションを所有している方は「売らずに持っておこう」と考える傾向にあると予測されます。
さらに在庫数が減少していく予想
上記理由から、今後もさらに在庫数が減少していく可能性があると言われています。
ただし、2021年下半期の傾向として過剰に高い価格設定をされる物件が増えてきており、逆に成約単価は上半期より大きく上昇していない為、売れない物件が増えています。
いわゆる「いくら何でも高すぎる」という購入希望者の目線が出てきているということです。
この状況を踏まえ、当社での査定は「早期成約目線」「販売相場目線」「現市況を考慮した期待値目線」と3パターンの価格を提案しています。
所有者様により売却に対する意向はさまざまですので、当社はそれぞれの意向に合わせた売却価格を決定しスタートすることで、ご満足してお任せ頂いております。