「半導体不足」で給湯器が修理できない?不動産業界への影響
- 賃貸管理
「半導体不足」は賃貸オーナーにとって切実な問題です
コロナ禍により、電気機器の需要が増えたり、リモートワークが増えたことで世界的に半導体の供給不足が問題となりました。実は、不動産業界でも給湯器などの住宅設備において大きな影響があったのです。
今回は、半導体不足が不動産に与える影響と、今後考えられるリスクとその回避策についてご説明します。
半導体が不動産業界へ及ぼす影響
半導体とは何か
そもそも、半導体とはどのようなものでしょうか。
半導体は「導体」(電気を通すもの)と「絶縁体」(電気を全く通さないもの)の中間の性質をもっている物質です。
その性質を活かして、電流の流れを制御したり、オン・オフを切り替えたりする回路などをつくる際に利用されます。
チップ上に複数の回路をつくることで複雑な機能をもたせることもでき、私たちが普段使用しているパソコンやスマートフォンをはじめ、様々な家電や製品にこの半導体が使用されています。
そのため、「半導体なくして、我々の生活は成り立たない!」といっても過言ではないです。
不動産業界への影響と給湯器の不足
不動産業界では、エアコンや温水洗浄便座、オートロック、給湯器などの住宅設備に影響がありました。その中でも給湯器への影響が大きかったです。
給湯器本体の温度調整機能や給湯リモコンの内部にある電子基板などに半導体が使用されているため、故障しても修理ができない!というケースが多く発生しました。
また、国内の多くの給湯器メーカーは、コスト削減やリスク分散のために生産ラインや拠点を海外(主に東南アジア諸国)へ移し、給湯器の生産を行っています。
一時期は東南アジア諸国が首都封鎖(ロックダウン)を実施したため、国内外問わず経済的流通や物的流通がストップしてしまうことも。
そのため、日本に入ってくる給湯器の流通量が急激に低下し、修理用の部品だけではなく、新品の給湯器も不足するようになりました。
給湯器不足は回復しつつあるのか?
2021年〜2022年の期間と比較すると、コロナ禍も収束傾向もあり、人々は日常生活に戻りつつあります。
幸い半導体の流通量も少しずつ増加し、生産能力も徐々に回復してきていると言えるでしょう。
ただし、コロナ禍の最中に発生した修理対応や新品の購入依頼が優先的に対応されている状況のため、在庫数が回復した今でも、対応までは時間がかかるケースもあります。
コロナ禍以前の状況に戻るには、まだ相当の時間がかかるのではないか?と予測されています。
賃貸マンションのオーナーが受ける影響
半導体不足の主な原因と不動産・住宅業界への影響について説明しました。
そこで、賃貸オーナーにとって関連があることは、やはり給湯器が使用できない事による賃料減免や、借主への補償のリスクがあると思います。
今回のコロナ禍による半導体不足のみならず、これから先予測できない災害や事態が起こる可能性は十分にあります。
それでは、リスクを回避するためにはどのような方法があるのでしょうか?
このような場合、2つのアプローチ方法が考えられます。
新しい情報を常に取り入れる
地震や災害、コロナ禍などのさまざまな自然災害に対して、先読みしてすべてに備えるというのは事実上不可能に近いでしょう。>
その場合、最も有効なアプローチは「最新の情報を常に取り入れて対応し続けていく」ことです。
近年、不動産・住宅設備業界では下記のような新しい流れが生まれてきました。
- ガスや石油、石炭などの一次エネルギーに依存しすぎしない
- 新たな熱源やエネルギーをもとにした住宅設備へのシフトチェンジ
このような動きは過去の自然災害や、持続可能なエネルギーでの環境維持などの考えをもとに取り入れたものです。今回発生した半導体不足やその影響についても、近い将来には対策が進んでいくと思われます。
そのため、現段階での最新の設備・業界情報を常に取り入れて対応することが、リスク回避の第一歩となるのです。
発生後の対処法
とはいえ、いきなり新しい設備を採用するのは、費用的にも難しいでしょう。
リスクを想定した上で、すぐに対応できるよう備えておく必要があります。
たとえば、下記のような対策が考えられます。
- 賃貸オーナー向けの住宅火災保険の見直し
- 賃借人への補償特約の付与
仮に上記のような対策を取っていなかった場合、借主からの賃料減額交渉や免除などが発生する可能性があります。
そのような場合、借主は部屋を使用できない、貸主は毎月の収入が減ってしまう、設備更新に追加の出費が発生するなど、借主・貸主双方にとってリスクになります。
そうならないためにも、リスクを把握し、事前に備えておくことが重要です。
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