大規模リフォームをせずに入居満足度を底上げできる“ポイント設備

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賃貸物件の価値を高める方法というと、大規模なリフォームや設備入替をイメージされるオーナー様も多いかもしれません。しかし実際には、コストや工期の面から「そこまでの投資は難しい」と感じるケースも少なくありません。
一方で、入居者が日々の生活の中で感じる満足度は、必ずしも高額な設備によって決まるわけではありません。
「使いやすい」「ちょっと便利」「あって助かる」といった小さな工夫が、住み心地の良さや物件の印象を大きく左右します。
今回は、大規模リフォームを行わずに導入でき、入居者から“あると嬉しい”と感じてもらいやすいポイント設備・生活サポートアイテムを、その理由や背景とあわせてご紹介します。

壁面フック|日常動線を整えるシンプルな工夫

バッグやアウター、帽子などは「毎日使うもの」でありながら、意外とかさばりやすく、置き場に困りやすいアイテムです。壁面フックが設置されているだけで、帰宅後すぐに物を掛けられるようになり、玄関や居室が散らかりにくくなります。
特に収納が少ない物件では、新たに収納家具を置かなくても、壁を使って収納力を補える点が大きなメリットです。単身者向けの物件では、クローゼットが小さい、収納が一か所のみといった間取りも多く、入居者自身が収納家具を購入すると生活スペースが圧迫されてしまうケースもあります。
実際、入居後の生活が始まってから「置き場所が足りない」「玄関が散らかりやすい」と感じる場面は少なくありません。壁面フックは、そうした日常の小さな不便を解消しやすく、施工も比較的簡単なため、コストを抑えながら生活動線を改善できる設備としておすすめです。

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スニーカーラック|玄関の印象を整えるポイントアイテム

下駄箱が小さい、または設置されていない物件では、靴の収納に悩む入居者が少なくありません。スニーカーラックがあることで、靴をすっきり整理でき、玄関が狭い物件でもスペースを圧迫しにくくなります。
壁に沿って整然と並べられるため、見える場所に置いても雑然とした印象になりにくく、玄関の第一印象アップにもつながります。特にスニーカーを複数所有している方や、靴をきれいに保管したい方にとっては、実用性の高い設備と感じてもらいやすいポイントです。
玄関は来客時だけでなく、毎日の出入りで必ず目に入る場所です。そのため、こうした整理しやすい設備があるかどうかは、暮らしやすさの評価に意外と大きく影響します。

室内物干し|天候や環境に左右されない洗濯環境

室内物干しは、花粉や排気ガス、天候の影響を受けずに洗濯ができる点から、近年特に支持が高まっている設備のひとつです。防犯面でも安心して使用でき、共働き世帯や帰宅時間が不規則な入居者にも好まれています。
使用しないときは収納できるタイプも多く、生活空間の邪魔になりにくいのも特徴です。また、洗濯物を干す用途だけでなく、一時的な衣類の保管場所としても使えるため、収納が少ない物件では特に重宝されます。
入居後の暮らしを想像したときに、「干す場所に困らない」という安心感は、想像以上に評価されやすいポイントです。設置にはネジ止めなどの施工が必要になるため、あらかじめ備え付けられていること自体が、選ばれる理由のひとつになります。

これがあるとさらに良い|浴室乾燥機付き換気扇

追加アイテムとして検討したいのが、浴室乾燥機付き換気扇です。外干しができない日でも「必ず乾かせる」という安心感があり、忙しい社会人や洗濯のタイミングが限られる入居者の生活にフィットします。
乾燥・換気・暖房が一体となっているため、洗濯用途だけでなく、浴室のカビ対策や冬場の快適性向上にも効果的です。バルコニーがない物件でも洗濯から乾燥まで完結できる点から、浴室乾燥機の優先度は年々高まっています。

小さな設備改善が物件価値をつくる

日々の暮らしの中で感じる「少し不便」「ここが惜しい」といったポイントは、入居後に初めて気づくことも多いものです。こうした日常の使い勝手を意識した設備は、派手さはなくても、住み心地の良さとして着実に評価されていきます。
大きな工事をせずとも、生活に寄り添った設備を取り入れていくことで、物件の印象や満足度は確実に底上げされます。小さな工夫の積み重ねが、結果として長期入居や空室対策につながっていく——そんな視点で、設備改善を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

佐藤 成穂

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