はじめての賃貸管理〜オーナーから見た「フリーレント」とは?〜

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物件情報を見ていると、たまに目にする「フリーレント」の文字。
入居者にとっては初期費用が抑えられるので大きなメリットとなりますが、オーナーにとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、オーナーから見たフリーレントのメリット・デメリット、フリーレントの使い道を解説します。

フリーレントとは

フリーレントとは、家賃が無料である期間を指します。
期間はオーナーが決めることができ、0.5ヵ月~3ヵ月などさまざまですが、一般的には1ヵ月に設定することが多いです。
たとえば、契約開始日が4月1日でフリーレントが1ヵ月のとき、家賃の発生は5月1日からになります。もし、月の途中で支払いが開始するときは、家賃を日割りにして請求します。
通常、フリーレントは管理費・共益費とは別に考えます。したがって上記の例の場合、4月分の管理費・共益費は支払いを受けることが可能です。

オーナーから見た「フリーレント」とは?

オーナーから見るフリーレントのメリット

入居者からすると、引っ越し前に家賃を二重に支払うことを防げたり、初期費用を下げることができたりとメリットが多く考えられます。 その一方で、オーナーにとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。

空室を避けることができる

オーナーにとって空室とは、収益をまったく生まない状態であるといえます。 そこで、フリーレントを設定することで集客のアピールポイントとし、早く空室を埋めることができます。
物件を探している人にとって、初期費用が下がることは大きな魅力です。もし、2つの物件で迷っていて、初期費用が異なる場合、安くすむ方を選択するということは大いに考えられます。
したがって、フリーレントを設定しておくことで、早く空室を埋めたい物件に入居を決めてもらう可能性を高めることができます。

1.空室を避けることができる

長期的に考えて、家賃を下げるよりも収益が見込める

一見、フリーレントはオーナーにとって収益が減る原因となるように思えますが、長期的に考えるとそうでもありません。 なぜなら、家賃を下げて入居してもらう方法とは異なり、一時的な収入減で済むからです。
たとえば、家賃が10万円の物件を考えてみます。 このとき、迷っているお客様に家賃を9.5万円に下げて入居してもらうのと、フリーレントを1ヵ月設定することで入居してもらうことを比べると、長期的に考えて後者の方が収益は大きくなります。
家賃を最初から9.5万円にすると、オーナーの毎月の収入は9.5万円です。
しかし、フリーレントを1ヵ月設定するものの、家賃はそのまま10万円で入居してもらえれば毎月の収入は10万円です。1ヵ月分の家賃10万円は失いますが、月0.5万円ずつ埋め合わせができるので、20ヶ月後には収益が同じとなり、その後は最初にフリーレントを設定していたパターンの方がトータルの収益は大きくなります。
このようにフリーレントを設定することで、長期的な収益の確保が見込めることもオーナーのメリットです。

オーナーから見るフリーレントのデメリット

もちろんフリーレントをつけることは、オーナーにとってメリットだけではなく、デメリットもあります。

複数の空室があるときに平等性を保つことが困難

マンションなどで複数の空室があり、一部屋にだけフリーレントをつけて募集していると交渉材料として使われる可能性があります。
お客様が同じマンションの異なる部屋を見比べた際に、一部屋だけフリーレントがついていている状態だと「○○○号室にもフリーレントをつけてください」と交渉されることがあります。
また、同じ建物でも部屋によってフリーレントの有無が異なると、その情報が周知されてしまったときに入居者どうしが気まずい雰囲気になることも考えられるでしょう。場合によっては、他の部屋の入居者から説明を求められるケースもあります。
このように、同じ建物内で平等性を保つことが難しく、結果的に収益を減らしてしまったり、入居者への説明が手間になってしまったりする可能性があります。

家賃が高い物件は影響が大きい

メリットでも解説したように、長期的に考えるとフリーレントは収益を落とさない効果がありますが、家賃が高いとフリーレント分を回収するのに時間がかかる可能性があります。
たとえば、家賃100万円のテナントなどで1ヵ月のフリーレントを設定すると、収益のロスは100万円です。このとき、仮に98万円に家賃を下げれば入居者が見つかりそうであれば、フリーレントを設定せず、家賃を下げて入居してもらうという判断も有力となります。
なぜなら、この場合はフリーレントを設定すると回収に50ヵ月もかかるため、退去リスク等も考慮すると初月から収入を確保できる方が安心だからです。
このように、フリーレント分の回収までの期間を検討して判断する必要があります。

フリーレントの使い時は?

では、フリーレントはどのような物件やタイミングで設定すればよいのでしょうか。
まず挙げられるのは、早く空室を埋めたい物件です。メリットでも解説したように、入居者からみて初期費用が抑えられることは大きな魅力です。少しでも早く空室を埋めたいときには、フリーレントは大きな武器となります。
また、閑散期のみ設定するのもよいでしょう。繁忙期である1月から3月は需要が高まるため、フリーレントを設定しすぎると収益減につながってしまいます。賃貸は6〜8月が閑散期のため、この時期に募集を開始し、状況が思わしくない・・・という場合にフリーレントの利用を検討するのがおすすめです。

フリーレントの使い時は?

まとめ

今回はフリーレントのメリット・デメリットを解説してきました。フリーレントを上手く使えば、入居者とオーナーの双方がメリットを享受できます。フリーレントの意味と効果をしっかりと理解し、上手な賃貸経営に活かしていきましょう。

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