住宅購入前に知っておきたい「建物構造」の基礎知識

住宅購入前に知っておきたい「建物構造」の基礎知識

家探しを進めていると、「RC造」「木造」「鉄骨造」など、構造に関する用語を耳にすることが増えてきます。実はこの「構造」、建物の住み心地や耐久性、コストなどに大きく関わってくる大事な要素なんです。
今回は、これから住宅購入を検討している方に向けて、代表的な建物構造とそれぞれの特徴をわかりやすくまとめました。物件選びの参考になれば幸いです。

建物構造の種類とそれぞれの特徴

まずは主な構造の種類をご紹介します。それぞれの構造は、建物の骨組みや材料によって分類されており、以下のような違いがあります。

1. 木造（W造／Wood）
2. 鉄骨造（S造／Steel）
3. 鉄筋コンクリート造（RC造／Reinforced Concrete）
4. 鉄筋鉄骨コンクリート造（SRC造／Steel Reinforced Concrete）
5. アルミ造（AL造／Aluminium）
6. コンクリート充填鋼管構造（CFT造／Concrete Filled Steel Tube）
7. コンクリートブロック造（CB造／Concrete Block）

それでは、それぞれの構造について詳しく見ていきましょう。

1.木造（W造）の特徴

日本の戸建住宅で今も主流の構造。木材を使った建物で、通気性に優れ、四季のある日本の気候にもマッチしています。

• メリット：建築コストが低く、工期も短いため費用を抑えやすい。木材ならではの温かみある住環境も魅力です。
• デメリット：遮音性や耐火性にはやや不安が残り、断熱性も鉄骨造などに比べて劣る傾向があります。シロアリ対策も必須です。

2.鉄骨造（S造）

鉄製の骨組みを使った構造で、強度に優れています。建材の厚みによって「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」に分かれます。

メリット	耐震性が高く、間取りの自由度が高い。木造に比べると構造がしっかりしているため安心感があります。
デメリット	遮音性や断熱性の点で物件により差が出やすく、耐震診断が必要な場合は構造専門の診断士が必要なケースも。

3.鉄筋コンクリート造（RC造）

鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで形成する構造で、マンションなどでも多く採用されています。

メリット	耐火性・遮音性・耐久性のバランスが良く、特に遮音性の高さは魅力です。形状の自由度も高く、デザイン性の高い建物も可能。
デメリット	建築・解体にかかるコストが高くなりがち。RC造でも耐震診断には専門家の知識が求められる場合があります。

4.鉄筋鉄骨コンクリート造（SRC造）

鉄骨をさらに鉄筋とコンクリートで覆った構造で、高層マンションなどでよく使われます。

メリット	非常に高い耐震性・耐火性を誇ります。地震の多い日本では心強い構造です。
デメリット	建築コストがかかるため、物件価格や家賃が高くなる傾向があります。

5.アルミ造（AL造）

アルミニウムを使用した構造で、軽量・高精度の施工が可能。主に海沿いエリアなどで見られます。

メリット	サビに強く、加工しやすいため施工期間が短くて済む。
デメリット	構造強度は他の工法に比べて劣り、大規模建築には不向き。断熱性も低いため追加対策が必要です。

6.コンクリート充填鋼管構造（CFT造）

鋼管の中にコンクリートを充填した構造で、商業施設などで多く使われています。

メリット	高い耐震性・耐久性を確保しながら設計の自由度もあり、工期短縮も可能。
デメリット	施工には高い技術が求められるため、業者選びがとても重要になります。

7.コンクリートブロック造（CB造）

コンクリートブロックを積み上げて構築する工法で、外塀や小規模建築に採用されることが多いです。

メリット	コストを抑えやすく、耐火性・耐震性も一定以上あります。
デメリット	湿気対策が必要で、将来的な増改築がしにくい構造です。

構造の違いを知ることで、後悔のない住まい選びを

建物の構造によって、暮らしやすさ・安全性・将来的なリフォームのしやすさなど、多くの面で違いが出てきます。不動産選びでは「間取り」や「立地」だけでなく、こうした「構造の違い」にも注目することで、より納得のいくマイホーム選びができるようになります。
ご不明な点や気になる物件があれば、お気軽にご相談ください。不動産のプロとして、あなたに最適な住まい探しをサポートいたします。