住まい購入前にチェックしておきたいポイント〜検索サイト・図面の確認〜
- 住まいの選び方
住まいを選ぶ際に、物件検索サイトで探したり間取り図などの図面を見て情報を得たりする人が多いのではないでしょうか。しかし、事前にどんなことを調べておけばいいのか、いまいちわからなくて悩んでしまうことも少なくないですよね。
そこで本記事では、住まいを選ぶ際に事前に調べておくべき内容についてご紹介しています。ぜひ住まい探しの参考にしてみてください。
物件検索サイトや図面で調べる際の確認ポイント
物件検索サイトや図面で住まいを探すときは、物件の価格や立地のようなわかりやすい条件だけでなく、 他にもしっかり確認しておくべきポイントがいくつかあります。 その中でも特にチェックした方がいいポイントについて、順に見ていきましょう。
土地の権利について
土地を購入する場合、権利の状態を事前に確認しておかなければいけません。 土地の権利には所有権・借地権・地上権の3種類が存在します。 それぞれの権利の違いは購入した土地を「所有して使うか」「借りて使うか」です。
所有権
所有権の場合、購入者がその土地を所有するため、所有権登記を自分の名前で行えます。 所有権がある土地は、自由に自宅を建てたり、他人に土地を売り貸ししても原則的に問題ありません。 所有権を持っている場合は、土地という資産を持っていることになり、固定資産税や都市計画税を毎年支払う必要があります。
借地権
借地権の場合、購入者はその土地を「借りている」だけで所有権は地主が持っています。
そのため、自宅を建てる際はあらかじめ地主に許可を取らなければいけないなど、いくつかの制限があります。
借地権のメリットは、所有権つきの土地を購入するより費用が安く抑えられる点にあります。また、実際に所有しているわけではないため、土地に関する税金を払う必要がないことも特徴です。その代わり、土地を借りるための地代を支払う必要があります。借地権つきの土地を購入する場合、支払い額を忘れずに確認しておきましょう。
地上権
地上権とは他人が所有している土地を使う権利のことをいいます。
借地権と似ていますが、借地権とは異なり、自宅を建てたり売却したりする際に地主の許可は不要です。自宅を建てるための土地に地上権が設定されることはあまり多くありません。
マンション購入時の管理方式について
マンション購入には、建物や廊下・エントランス・エレベーターなどの共用設備の清掃やメンテナンスなどの管理業務がともないます。 自分で管理するのか管理会社に委託するのかでやるべきことも変わってくるため、マンションを選ぶ際は合わせてチェックしておきましょう。
全部委託
管理会社に管理業務をすべて委託する管理方式です。 近年では一番多く見られ、戸数の多い大きなマンションはだいたいこの方式を選択しています。
一部委託
管理会社に管理業務のうち一部を委託する管理方式です。 必要な業務ごとに専門業者に発注するため、業者の選定や価格交渉などの手間がかかりますが、全部委託を行う場合よりもコストを抑えられます。
自主管理
管理会社に委託するのではなく、自分たちで管理業務をすべて行う管理方式です。
管理員を雇ったり、エレベーターなどの保守点検を専門業者に依頼したりして管理を行います。
専門知識がないと難しく、住人同士で資金管理や意見の調整を行わなければいけないため、あまり一般的ではありません。
建物の築年数について
マンションや戸建てを購入するときは、建物が建てられてからどのくらい年数が経っているのかも重要です。
一般的には築浅物件の方が外観や内装はきれいですが、その分値段は高くなります。
反対に築年数が経過している物件は値段が下がっていることがあり、費用を抑えるためにリフォームやリノベーション済みの物件を狙うのもひとつの手です。
ただし、建築された年によって建物の耐震基準が異なる場合があります。
大地震の被害が起こるたびに基準が見直されているため、新しい建物の方が耐震性が高く、もしもの際にも安心です。
旧耐震基準(1981年5月31日以前)
震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な程度の強さを基準として建築するように求めているのが旧耐震基準です。 1950年に制定された建築基準法に基づいています。
新耐震基準(1981年6月1日以降)
震度5強程度の揺れでは軽微な損傷に留められ、震度6強〜7の大きな揺れでも倒壊は免れる程度の強さを基準として建築するように求めているのが新耐震基準です。 1978年に発生した宮城県沖地震を受けて、より厳しい基準が設けられました。
2000年基準(2000年6月1日以降)
木造住宅については、住宅の土台になる基礎を地盤に合った形状で作るように求めています。 1995年の阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊が倒壊したことで、より厳しい基準が設けられました。 事実上、木造住宅の建築には地面にどれくらいの重さを支えられる力があるのかを調べる地盤調査が必須です。
マンションの総戸数について
マンションを購入する際は、総戸数も確認しておきましょう。 総戸数とは、マンションの中にある部屋をすべて合わせた数のことです。 マンションの総戸数による規模の分類は、一般的に50戸程度までが小規模マンション、50〜100戸程度が中規模マンション、100戸以上が大規模マンションとされています。 規模によって価格やライフスタイルも異なるため、自分の理想に合わせて選びましょう。
小規模マンション
小規模マンションの場合、1階ごとの部屋数が少ないため角部屋が多くなることやエレベーターの混雑が少ないことがメリットです。 また入居が少なく、住人同士の顔が見えやすいという点もあります。 ただし、小規模マンションは人数が少ないゆえに管理費が割高になる点や共用施設が設けられていない物件が多い点はデメリットです。
中規模マンション
中規模マンションの場合、小規模マンションよりも人数が増えるため住人の関係が密接になりすぎず、ほどよい距離感で付き合えます。 また、大規模マンションに比べて共用施設は充実していないものの、その分管理費が割安になることもメリットです。
大規模マンション
大規模マンションの場合、広々としたロビーや保育所、さらにはゲストルームやトレーニングジムなど、共用施設が充実している物件が多いのがメリットです。 ただし、入居者の多さからマンション内での人間関係は一番希薄になりやすい傾向にあります。
バルコニーの向きについて
快適に暮らしていくためには、バルコニーがどの方角を向いているのかも重要です。方角によってそれぞれ日の当たり方に特徴があるため、自分の好みやライフスタイルに合わせて検討しましょう。
また、せっかくバルコニーが日当たりのいい方角につけられていても、目の前に建物が建っていると遮られてしまいます。Googleアースなどで周辺の建物の状況を確認し、どのくらい影響があるか把握しておくことがおすすめです。
東向き
バルコニーが東向きの場合、朝日の光が部屋に入ってきます。 朝気持ちよく目覚めたい人にとってはちょうどいいですが、夜勤が多い人にとっては眠りを邪魔されやすいため不便かもしれません。 また、方角的に夏場の暑い西日を防げるというメリットもあります。
西向き
西向きのバルコニーは夕方〜夜にかけて暖かい点がメリットです。 夕方から日没まで洗濯物を干すことができるため、午後から洗濯機を回したい方にはぴったりでしょう。 デメリットとしては、西日が入ってくるため、特に夏の夕方が冷房の効きが悪くなるほど暑くなる点が挙げられます。
南向き
南向きのバルコニーは1日を通して部屋の中が明るく暖かくなりやすい点がメリットです。 物件によっては、日中は電気をつけなくても十分なほど明るい場合もあります。 一番人気な方角ですが、日当たりの良さゆえに夏は室内が暑くなりやすいです。 また、南向きは他の物件に比べて物件の値段がやや高いことがあります。
北向き
北向きはあまり人気のない方角ですが、物件の値段が南向きなどより少し安いうえに夏の暑さが軽減されるといったメリットがあります。 日本の夏は年々暑くなっているため、暑さが苦手な人には特におすすめです。 反対に、日当たりの悪さはどうしてもデメリットになってしまいます。
部屋の所在階について
マンションを購入する場合、何階に住むかによって値段が異なります。
また、部屋の所在階がわかればそこからの目線や日当たりがある程度予測できるため、忘れずにチェックしておきましょう。
一般的に上層階にいくほど 日当たりや窓からの景色が良く、値段も高くなっていきます。ただし、屋上や天井から熱が伝わりやすく室内が暑くなりやすいことや、免震構造以外のマンションでは揺れが大きくなりやすいことがマイナスポイントです。
反対に、下層階にいくほどエントランスに近くなるため気軽に外出しやすく、特に1階は雨の日や大荷物がある日でも行き来が容易になります。また、値段も上層階に比べて抑えられています。
ただし、建物が密集する都心部の場合、下層階では日当たりや風通しが期待できないことが多いです。
また、カーテンを閉めていないと外からの視線が気になりやすかったり、上層階と比べて虫が入りやすかったりする点もデメリットです。
管理や修繕積立金などその他の費用について
マンションを購入して暮らす場合、管理費と修繕積立金を払うことになります。
管理費とは専用庭の手入れや共有部分の清掃やごみ処理、電球の取り替えなどマンションの日常的なメンテナンスのために使用される費用のことで、修繕費とは将来の大規模修繕に備えて事前に積み立てておく費用のことです。
マンションを探す場合、物件の値段だけでなくこれらの費用も適正価格かどうかを判断する必要があります。
相場と比較して高すぎる場合、管理や修繕目的以外に使われている可能性があります。
購入予定のマンションの相場を調べておきましょう。
室内写真やリフォーム履歴について
住まいを選ぶときは室内写真やリフォーム履歴などが記載された住宅履歴情報を活用しましょう。
室内写真は物件検索サイトでも見ることが可能です。内見に行く前に外観や室内の雰囲気を大体つかめるため、物件選びの参考になります。
住宅履歴情報とは、住宅のつくりや性能、建築後の点検・修繕・リフォームの記録が保存されたものをいいます。
具体的には新築時の図面や建築確認の書類、点検の結果やリフォームの記録などです。
特にリフォームについては、新しい耐震基準に適しているかなど見た目だけでは詳細が判断できません。
中古物件を購入する際はリフォームの履歴を見せてもらうようにしてください。
まとめ
似たような立地で似たような値段の物件でも、他の条件が異なるだけで実際に住んでからの生活が大きく変化します。 大切なのは「自分が求めるライフスタイルと合っているか」ということです。 もし住まい選びの際に気になる物件を見つけたら、ぜひ今回紹介した確認ポイントをチェックしてみてくださいね!