政治が動くと不動産も動く? 外国人不動産規制のゆくえと賃貸経営への影響

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参議院選挙後に高まる「外国人規制」への注目

2025年7月の参議院選挙では、参政党が14議席を獲得し、政治的な存在感を強めました。
掲げてきた政策のひとつが「外国人による土地購入への規制強化」です。この主張をきっかけに、国防や安全保障の観点から、外国人不動産規制に関する議論がより注目されるようになっています。

現行制度と「重要土地等調査法」

現時点で、日本には外国人による土地購入そのものを直接禁止する法律は存在しません。2022年に施行された「重要土地等調査法」では、自衛隊基地や原子力施設周辺の土地取引について、調査・勧告が可能になりました。しかし、あくまで“取得の規制”までは踏み込んでいないのが現実です。

今後は、今回の選挙結果を背景に保守系政党との連携が進めば、外国人による土地取得規制案が国会に上がる可能性は高まるとみられます。特に北海道の水源地や沖縄など、安全保障に直結する地域では、より厳しい規律を求める声が強まるでしょう。

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不動産市場への影響はどうなる?

もし規制が導入されれば、外国人投資家の動きは鈍くなると予想されます。その結果、

  • 一部エリアでは売却価格や流動性が下がる
  • 外国人需要に依存していた都市部の物件に価格調整が入る

といった影響が出る可能性があります。

一方で、国内市場に目を向ければ、需要と供給のバランスが変化することで、長期的には新しい投資チャンスが生まれることも考えられます。オーナーにとっては、こうした市場変化を正しく見極める力が求められます。

「購入」と「入居」は別問題

特に注意すべきなのは、「外国人による不動産購入」と「外国人の入居」はまったく別の問題だという点です。政治的な議論が進む中で、「外国人入居者も規制されるのでは?」という誤解が広がるリスクがあります。
しかし、賃貸経営においては、入居希望者を国籍や人種で区別することは適切ではありません。公平な入居審査を続けることが、結果として信頼と安定経営につながります。

オーナーに求められる視点

政治の動きは不動産市場に影響を与えますが、その影響は短期的なものにとどまる場合も少なくありません。オーナーとして大切なのは、

  • 法改正や規制の動きを正しくキャッチする
  • 社会的な空気感に流されず、冷静に判断する
  • 入居者対応において公平性を維持する

といった基本姿勢です。

制度や情勢は刻々と変化していきます。こうした変化を敏感に捉えつつ、安定した経営を続けるためには、政治や社会の動向を定期的にチェックし、専門家の意見を取り入れる姿勢が求められます。

この記事を書いた人

五十嵐 裕也 宅地建物取引士 ・既存住宅アドバイザー

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