住宅ローンの事前審査・本審査について

マイホームを購入するために利用される住宅ローン。事前審査と本審査の2段階の審査がありますが、どのように審査が行われるのかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では住宅ローンの審査について、事前審査と本審査の違いや審査の流れについて解説します。

事前審査・本審査の違いとは？

住宅ローンでは多額の融資を行うため、他のローンとは違って2回の審査が必要です。事前審査は契約前、本審査は契約成立後に実施しますが、それぞれ「審査の目的」と「結果が出るスピード」が異なります。
事前審査は「融資できるかどうか」をチェックする簡易的な審査です。反対に本審査は「本当に融資していいかどうか」の最終確認のために行う審査で、細かな項目まで厳密にチェックされます。そのため、本審査の方が必要書類が多く、審査期間も長い場合が多いです。
ここでは、住宅ローンの事前審査と本審査について詳しく解説していきます。

事前審査とは

事前審査とは、住宅ローンを申し込んだあとに最初に行う審査のことです。
事前審査は契約成立前に「申込者にローンを完済する能力があるか」をスピーディーに見極めることを目的としています。購入したい物件が見つかり資産計画が決まっていれば、契約の前ならいつでも申し込みが可能です。
事前審査に必要な書類は以下のとおりです。

• 源泉徴収票や決算書など所得のわかる書類
• 運転免許証やパスポートなど本人確認書類
• 他に借りているローンがあれば、債務状況がわかる書類など

必要書類の提出後、申込者の経済状況(年収・勤続年数・勤務先の会社の規模)、借入金額が収入と見合っているか、返済プランは適切か、信用情報に問題はないかなどをチェックし、審査結果は申し込みから2〜3日後に通知されます。
毎月安定した収入があることから、正社員の方が自営業や個人事業主と比べて審査において有利といわれています。ただし正社員以外でも比較的審査に通りやすい住宅ローンもありますので、金融機関などに一度相談してみましょう。

本審査とは

本審査とは、事前審査を通過したあと、金融機関と契約している保証会社によって契約成立後に行われる審査のことです。審査項目は事前審査と大きく変わりませんが、本審査では「本当にローンを返済できるかどうか」がより厳密に確認されます。
申込者の情報をより慎重に審査するため、結果が出るまで一般的に1〜3週間ほどかかります。
本審査に必要な書類は以下のとおりです。保証会社によって異なる場合があるため、審査を申し込む前に確認しておきましょう。

• 住宅ローンの申し込みに関する書類
• 運転免許などの本人確認ができる書類
• 源泉徴収票など前年の収入がわかる書類
• 勤務先を証明する書類
• 家族全員が記載されている住民票
• 売買契約書
• 重要事項説明書
• その他、購入する住宅についての書類など

申込者が提出した必要書類をもとに、事前審査での審査内容に加えて、担保として設定する不動産の評価額や不具合がないかどうか、取引の関係者に反社会的勢力はいないかなどが審査されます。

事前審査・本審査の流れ

購入したい物件を決めてから融資を受けるまでの流れは以下のとおりです。

1. 借りたい住宅ローンを探す
   住宅ローンにはさまざまな種類があり、都市銀行だけでなく、地方銀行や信用金庫、ネットバンクなど多くの金融機関で扱われています。それぞれの金融機関のホームページなどに住宅ローンの詳細が載っているので事前にチェックしておきましょう。また、不動産会社や住宅メーカーなどからも提携先の金融機関の住宅ローンを紹介してもらえることがあります。
2. 事前審査申し込み
3. 事前審査
4. 不動産の売買契約
5. 本審査申し込み
6. 本審査
7. 住宅ローンの契約
   金銭消費貸借契約を結びます。契約書には借入金額や期間、利率などが記載されています。
8. 融資開始

事前審査・本審査のポイント

住宅ローンの事前審査さえ通過していれば、本審査で落ちる確率は5％程度といわれています。そのうち2〜3％は申告内容に間違いがあったケースや虚偽の内容を申告したケースです。
住宅ローンの審査で落ちないためには、いくつかのポイントがあります。まず、自分の収入や財産に見合った借り入れをすることが大切です。余裕のないローンは返済能力が低いと判断されてしまいます。また、頭金を多めに用意すると、金融機関から資金や計画性があると判断されて有利です。購入代金の20％ほどの頭金を用意しておくといいでしょう。
さらに、クレジットカードや自動車ローンなど他の借り入れがある場合はあらかじめ返済しておくことをおすすめします。
万が一審査に落ちてしまっても、別の金融機関の住宅ローン審査では問題なく通過できる場合があります。情報収集を行ったうえで他の金融機関も検討してみましょう。

まとめ

住宅ローンを金融機関に申し込むと、事前審査と本審査の2段階で審査が行われます。
どちらも「本当にローンを返済する能力があるかどうか」を判断しますが、本審査は売買契約成立後に行われるため、より時間をかけて慎重にチェックされます。 審査を通過するためには収入に見合った借り入れを行うことや他のローンを完済しておくことなどが大切です。