はじめての賃貸管理〜トラブル回避!オーナーが退去立会いでするべきこととは?〜

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借主が退去するときは、基本的にオーナーまたは管理会社が立会いを行います。
この立会いで部屋の状況確認を行うのですが、その際しっかりと確認をしておかないと、後からトラブルに発展する可能性があります。
今回は退去立会いにおいてトラブルに発展しないために、オーナーがするべきことを解説します。

退去立会いとは?

退去立会いには、一般的に退去する人(借主)と管理会社、またはオーナーが参加します。場合によっては、クリーニング業者や内装業者も立会い、その場でおおよその修繕費用を算出することもあります。 退去立会いの最も大きな目的は「退去時における部屋の状況をチェックし、キズや汚れがどのような理由で発生したかをお互いに確認すること」です。
賃貸借契約書には「退去時に原状回復を行う」という文言を記載することがほとんどです。そのためオーナーが立会い、入居時との状況を比較し、原状回復をするべき箇所を退去者と確認する必要があります。
しかし、国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、原状回復とは借りた人が入居時の状態に戻すことではなく、故意・過失によって発生したキズや汚れを修繕することとされています。
したがって、オーナーと退去者で部屋のキズや汚れの発生原因をお互いに確認し、退去者が修繕を負担する箇所を話し合うことが重要です。

当日オーナーがするべきこと

オーナーまたは管理会社が退去日当日にするべきことは、大きく分けて5つあります。

  1. 修繕箇所の確認
  2. 忘れ物などの確認
  3. 電気・ガス・水道・ネット回線の停止
  4. 連絡先や入居時の感想を聞く
  5. 鍵を受け取る
トラブル回避!オーナーが退去立会いでするべきこととは?

1.修繕個所の確認

修繕個所の確認は最も重要です。特に、表面だけでなく裏側や内部など細かいところまで確認しておかない、と後からトラブルになってしまうことがあります。
立会いのときに指摘せず、後から追加で修繕費用の連絡を入れても

  • 「立会いの時に言われていない」
  • 「立会い後に発生したのではないか」
  • 「クリーニング業者が原因ではないのか」

など言われてしまう可能性があり、証明することが難しくなります。そのため、立会い当日は細部まで確認しましょう。

例えば、棚やクローゼットの奥のようなのぞき込まないと状態が分からないところ、キッチンや浴室の換気扇など、動かしてみないと不具合や異音が発見できない箇所などです。
その他にも、床のへこみのようなひと目でわかるような箇所も、なぜへこんだのか?などの原因の確認が必要です。なぜなら、その原因によって修繕費用を負担する人が変わってくるからです。
家具を設置したことによるへこみであれば、通常の使用による損耗であるとみなされオーナーの負担となります。一方で、退去者が物をうっかり落としてしまったことが原因であれば、過失によるものとされ退去者の負担となります。

このように、ぱっと見て分からない箇所や、ひと目でわかる傷などの原因を確認しておくことが最も重要です。

修繕個所の確認

2.忘れ物や残置物の確認

退去立会いのあとに忘れ物や残置物が残っていると、退去者と連絡を取らないといけないため、手間がかかってしまいます。
忘れ物であれば受け渡し手段の確認が必要であり、所有権が放棄された残置物(退去者が不要になりをそのまま部屋に放置していったもの)であれば処分費用の話などをしなくてはいけません。
特に、処理されていない粗大ごみや、宅配ボックスの中に残ったままにしている宅配物、設置してそのまま残されているエアコンなどを確認しておきましょう。
宅配物に関しては、退去後に届いてしまうこともあるため、転送手続きを行っているかの確認もしておくとよいです。

3.電気・ガス・水道・ネット回線の停止

退去者が電気・ガス・水道・ネット回線の停止や引っ越しの手続きを行っているかを確認しましょう。
業者によっては立会いでの処理が必要となる場合があるため、退去後の手続きは避けてもらい、必ず退去立会い日までに手続きを完了してもらうようにあらかじめ伝えておきます。退去当日もガスや水道が止まっているかを確認しましょう。

3.電気・ガス・水道・ネット回線の停止

4.連絡先や入居時の感想を聞く

退去する人の連絡先は必ず聞いておきましょう。もし忘れ物や残置物があった際に連絡が取れないと、処理に困ることになります。また、原状回復費用や敷金の精算もあるため、立会い後にも連絡を取るケースは非常に多いです。
合わせて、可能であれば入居時の感想なども聞いておくとよいでしょう。直接会って話す最後の機会なので、住みやすかった点や、ここを直してほしいという点などを聞くことができれば住む環境の改善に繋がります。
例えば「宅配ボックスを増やしてほしい」、「駐輪場が空いているので、一部屋あたりの割り振りを増やしてほしい」などの意見を聞くことができれば、いま住んでいる人もこれから住む人にとっても良い環境を提供できる可能性が広がります。

5.鍵を受け取る

立会いの最後には必ず鍵を受け取りましょう。
退去後に鍵交換をするからと言って鍵の回収をしないでいると、交換作業までの期間、マンション入り口のオートロックなどに退去済みの人が入れる状況になってしまい、セキュリティ上のリスクがあります。
入居時に渡している鍵の本数と番号が合っているか、複製をしていたらその分も受け取っているかを確認してから、退去立会いを終了させましょう。

まとめ

今回は、オーナーが退去立会いの当日にするべきことを紹介しました。
立会いのときに確認するべきことが漏れていると、後日トラブルに発展する可能性があるので、しっかりと何をするべきか理解しておきましょう。特に原状回復費用などのお金に関わることに関してトラブルの原因となるケースが多いので、お互いに話して納得できた状態で退去立会いを終了させることが大切です。

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