北海道から東京へ移住する方へ:東京賃貸暮らし完全ガイド!
- お部屋探し
- 引っ越し
はじめに
北海道から東京へ移住される方は、就職・転勤・進学など、さまざまな理由で増えています。2024年には、約1万4千人*の方が北海道から東京へ引っ越しています。
ただし、北海道と東京では気候や生活習慣、そして賃貸住宅の契約ルールも大きく異なるケースが多いです。「北海道でのひとり暮らし」と同じ感覚で東京の物件を探すと、費用面や生活面で驚くことも多いでしょう。
本記事では、北海道出身の方が東京でスムーズに新生活を始められるよう、家賃相場や費用、エリア選びのコツを詳しくご紹介します。
お部屋探しを始める前に決めておきたいこと
「住む場所は最初に決めなきゃいけない」と思っていませんか?
もちろん「渋谷に住みたい」「三軒茶屋が好き」という希望がある方は、その街を中心に探すのが一番です。
ただ、東京は公共交通機関がとても発達しているので、意外と通勤・通学しやすい街がたくさんあります。まずはエリアを決めすぎず、条件やライフスタイルから考えてみると、より選択肢が広がります。そこで、最初に整理しておきたいのが次の2つです。
- 予算はどのくらいか
- どんな家に住みたいか(設備・街の雰囲気など)
この2つを決めておくと、自然と「ここなら住みやすそう」というエリアが見えてきます。

北海道と東京の賃貸家賃・費用の違い
北海道と東京の賃貸家賃相場比較
北海道と東京のワンルームの家賃相場を比較すると、下記の通りです。参考:SUUMO 全国の賃貸家賃相場・賃料相場 | 2025年9月時点
- 札幌市中央区:4万円前後
- 渋谷区・世田谷区・目黒区:8万円前後
同じ広さでも東京の方が相場は約2倍になります。また、エリアの中でも最寄駅によってさらに相場は異なり、人気のある駅周辺の物件はさらに値段が上がります。なので、どうしてもこの街に住みたい...という場合は、その街の家賃相場を調べてから予算計画を立てましょう。
また、予算を優先したい場合は、エリアはある程度変えてもいいかな、というように余裕を持って計画を考えましょう。
礼金・更新料・保証会社の違い
北海道では「礼金ゼロ・更新料ゼロ」の物件が多いため、これらの費用に馴染みがない方も多いかもしれません。 一方、東京では物件によってはこれらの費用が必要になるケースが多いのが特徴です。
礼金とは、貸主への謝礼金のようなもので、東京では入居契約時に家賃1か月分程度を支払うケースがよくあります。
更新料についても、2年ごとの再契約時に家賃1か月分がかかる物件が多い傾向にあります。
さらに、東京では連帯保証人の代わりに保証会社の利用を求められることも一般的です。
初回保証料は家賃の30〜50%前後、以降は年1万円程度の更新料がかかるケースが多いです(※物件や地域によって異なります)。
これらの費用は初期費用の総額に大きく影響するため、物件探しの段階であらかじめ確認しておくことをおすすめします。
ウィル・ビーの賃貸物件情報では、「物件概要」の箇所に初期費用の概算金額を記載しています。こちらもぜひ参考にしてください。

東京の駐車場事情
東京では、電車やバスで通勤・通学することが一般的なため、駐車場付きの物件は限られています。敷地内に駐車場がある場合でも、全住戸分をカバーしていないことが多いため、実際に空きがあるかどうかは事前に確認が必要です。
物件に駐車場がない場合は、近隣の月極駐車場を別途契約することになりますが、こちらも人気エリアでは早めの問い合わせが欠かせません。

グラフ①
賃貸マンション内に駐車場がある賃貸物件の割合です。
札幌市内は234,345件中、147,611件が駐車場付きで、約63%にのぼります。札幌では冬季の積雪や日常的な車利用の多さがあり、駐車場付き物件の需要が高いことが挙げられます。
一方、東京城南エリア(目黒・世田谷・渋谷)では賃貸物件227,228件に対し、駐車場付き物件は59,148件でした。割合は約26%しかなく、4件に1件しか駐車場付きがない状況です。土地の制約や公共交通の発達により、都市部では駐車場付き物件は少数派であることがわかります。

グラフ②
月極駐車場の平均価格を比較したものです。
札幌市内の月極駐車場の平均価格は約12,739円/月。全国的に見ると安めですが、「北海道だからもっと安いのでは?」と思う方もいるかもしれません。札幌でも中心部の大通やすすきの周辺と郊外エリアなど、場所によって相場に幅があります。
一方で、東京城南エリア(目黒・世田谷・渋谷)の平均は約33,200円/月と高水準です。特に渋谷区が突出して高く、世田谷区が比較的安めという区ごとの特徴も見られます。
東京では区によって差はありますが、「駐車場を借りるだけでもかなりの負担」というのがどのエリアでもいえます。さらに、同じエリアでも平置きより機械式のほうが高い傾向があり、車種や予算に合わせて検討するのがおすすめです。
お部屋探しのポイント
東京で部屋を探すときの注意点
広さ優先か、立地優先か
東京の物件は「立地の良さ>広さ」で価格が決まるため、「広さを優先するか、立地を優先するか」を事前に考えておくことが大切です。
例えば、札幌市中央区では家賃5万円前後で20㎡以上の1Kが見つかりますが、渋谷区や世田谷区では同じ家賃でワンルーム15㎡前後ということも珍しくありません。
引っ越しの際は、事前に家具や家電のサイズを測っておいて、内見に行った際にすべて収まるかどうかを必ずチェックしましょう。
築年が古い=安いとは限らない?
東京では築30〜40年でも人気エリアであれば家賃は高く、入居希望者も多いです。
ただし、古い物件でも「リノベーション済み」「耐震補強済み」などの付加価値があるケースがあります。築年数よりも「内装の状態」「設備の新しさ」を重視して探すと選択肢が広がります。
リノベーション済みの物件を探す場合はこちら
駅からの距離
「徒歩5分以内」の物件が特に人気で、10分以内も競争率は高めです。一方で、徒歩15分前後の物件であれば、家賃が1〜2万円下がるケースもあります。東京はバス路線も発達しているため、駅から多少離れていても意外と不便ではありません。
予算や条件に応じて、ちょうどいい物件を選びましょう。
設備・条件でチェックすべきポイント
間取りや設備だけでなく、実際に住んでからの快適さに関わるポイントも細かく確認しておくことが大切です。特に次の3つは要チェックです。
防音性
鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨造、木造など、建物の構造によって防音性能は大きく異なります。
RCは壁が厚く、生活音が伝わりにくい傾向があります。鉄骨造は比較的しっかりしていますが、床や天井を通して音が響くことがあります。また木造は家賃が抑えやすい一方で、壁や床が薄く音が伝わりやすい傾向があります。これらは図面に必ず記載があるため、見てみましょう。
日当たり
南向きかどうかだけでなく、周囲の建物やバルコニーの形状によっても日当たりは変わります。 内見時に確認するのがベストですが、事前に地図アプリや物件写真などでチェックすることも可能です。
エアコン
東京の夏は湿度が高く非常に蒸し暑いため、エアコンは必須設備です。(次の項目で詳しく解説)
住みやすい家の条件
東京の夏に必須!エアコン完備の部屋を選ぼう
北海道出身の方にとって最大のギャップは「東京の夏の蒸し暑さ」です。
7〜9月にかけては30℃を超える日が連続し、湿度も高いため、エアコンなしでの生活はあまり現実的ではありません。
物件を探す際は、まずエアコンが設置されているかどうかを確認しましょう。古い建物では未設置のケースもあるため要注意です。
さらに、設置されている場合でも機種の年式や性能をチェックすることが大切です。省エネ対応の新しいモデルであれば、電気代を抑えながら快適に過ごせます。また、エアコンがリビングだけでなく寝室にもあるかどうかで、夏の快適さが大きく変わります。
特に省エネ性能(APF値*)を重視すると、電気代の節約につながります。
* APF値…「期間エネルギー消費効率」のこと。これが高い機種は省エネ性能が高く、電気代を抑えやすい

宅配ボックス付き物件は便利!
東京ではネット通販やフードデリバリーの利用が非常に多く、特に一人暮らしの方にとって「不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックス」があると生活のラクさが段違いです。
また、宅配ボックスは「共用タイプ」と「専有タイプ(各戸ごと)」があります。都心の新築・築浅マンションでは標準装備になりつつありますが、築年数の古い物件にはない場合が多いので、物件をチェックする際や内見時に確認してみましょう。
ユニットバスでも意外と快適に暮らせる理由
東京ではワンルームや1Kなどの物件でユニットバスが採用されているケースが多くあります。
「不便そう」と感じる方もいますが、実は以下のようなメリットがあります。
掃除がしやすい
浴槽とトイレをシャワーでまとめて丸洗いできるため、掃除が一気に済む&清潔に保つのが楽ちんです。
家賃が比較的安い
同じ条件のセパレートタイプより、数千円〜1万円程度お得になる傾向があります。
光熱費・水道代を節約できる
浴槽がコンパクトなためお湯の使用量が少なく、結果的に光熱費も抑えやすいです。
また、東京23区内には数百軒の銭湯があり、物件から徒歩圏内に人気のサウナや銭湯があるエリアも多数存在します。なのでそういったエリアを選ぶことで「毎日お風呂に浸かりたい!」という方も、ユニットバスと銭湯を組み合わせた暮らしを楽しめるでしょう。
気になる場合は、地元に詳しい不動産会社に相談してみることをおすすめします。
おすすめエリア
エリアによって雰囲気・家賃・利便性は大きく異なります。人気のエリアを中心に、街の特徴・家賃相場・おすすめポイントを詳しく解説します。
人気のエリア
渋谷区
ワンルーム家賃相場:11万円前後
山手線・副都心線・田園都市線など路線が豊富で交通利便性が抜群。表参道・代官山・原宿などトレンドエリアが近く、ショッピングやグルメを楽しめます。
若者向けの飲食店やカフェが多く、初めての一人暮らしにもおすすめです。
渋谷区/ワンルーム賃貸物件一覧はこちら
世田谷区
ワンルーム家賃相場:9万円前後
駅周辺は商店街が多く、スーパー・病院・飲食店も充実。砧公園や駒沢公園など緑が多いエリアも多く、落ち着いた雰囲気でファミリー層にも人気です。
三軒茶屋・下北沢・二子玉川などは若者から大人まで幅広い層に愛される街。
世田谷区/ワンルーム賃貸物件一覧はこちら
目黒区
ワンルーム家賃相場:12万円前後
恵比寿・中目黒・自由が丘などおしゃれなカフェや雑貨店が多く、洗練された雰囲気。渋谷や新宿へのアクセスも良く、休日のお出かけにも便利です。
一人暮らしの女性やカップル層に特に人気の高いエリアです。
目黒区/ワンルーム賃貸物件一覧はこちら
家賃相場参考(2025年9月時点)新築かつ駅から徒歩1分~5分以内の条件で家賃相場・賃料相場の目安を算出
SUUMO 東京都渋谷区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場
SUUMO 東京都世田谷区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場
SUUMO 東京都目黒区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場
コンサート・イベント好きにおすすめのエリア
東京では、音楽フェス・スポーツ観戦・舞台鑑賞など、さまざまなイベントが毎日のように開催されています。趣味を楽しむために、会場へのアクセスを重視して住むエリアを選ぶ移住者も増えています。
渋谷・原宿エリア(渋谷区)
代々木第一体育館・NHKホール・LINE CUBE SHIBUYAなど、大型イベント会場が多数あります。
原宿・表参道にはショップやカフェも多く、イベントの前後に立ち寄れるスポットが充実しています。

三軒茶屋・下北沢エリア(世田谷区)
三軒茶屋はライブバーやカフェが多く、音楽好きに人気の街です。
下北沢には小劇場やライブハウスが多く、演劇やインディーズ音楽を楽しみたい方におすすめです。
中目黒・自由が丘エリア(目黒区)
中目黒はおしゃれなカフェやレストランが多く、アコースティックライブなど小規模イベントも豊富。
自由が丘では季節ごとのイベントも多く、街歩きと合わせて楽しめます。
交友関係を広げたい人におすすめのエリア
カフェ・ライブハウス・シェアオフィスが多い街は、自然と友人ができやすい傾向があります。
三軒茶屋(世田谷区)
おしゃれなカフェ・居酒屋・雑貨店が軒を連ねる若者の街。
「サブカルチャー」や「音楽・演劇好き」が集まりやすく、価値観の合う仲間が見つかることも。
下北沢(世田谷区)
古着屋・ライブハウス・小劇場など文化的スポットが多く、演劇や音楽好きにおすすめ。
再開発が進み、新しい商業施設やカフェも増え、若者だけでなく幅広い層に「住みやすい街」として支持されている
エリア選びのポイントまとめ
- 家賃優先か、立地優先かを決める
駅近・新築・広さ・日当たりなど、譲れない条件を最初に決めましょう。 - 実際に歩いてみることが大切
街の雰囲気は、ネット情報だけでは分かりません。必ず内見時に周辺環境もチェック。 - 通勤・通学時間をシミュレーション
東京のラッシュは北海道と比べて別世界です。朝の混雑率や乗り換えのしやすさも考慮が必要です。
引っ越し準備
北海道から東京へ引っ越すときの費用目安
北海道から東京への引っ越しは、閑散期で10〜20万円、繁忙期で20〜40万円前後が目安です。
特に3月・4月は新生活シーズンで料金が高騰しやすいため、引越し時期を選べる場合は避けたほうが無難です。
また、長距離の引越しになるため輸送コストが高く、会社によっては別途長距離料金が加算される場合があります。そのため、引越し荷物量を減らすことで大幅なコスト削減につながるケースがあります。
見積もりを出す前にまず一度、下記を確認し、考えてみましょう。
家具・家電は現地で調達すべきか持ち込むべきか
引っ越し費用を左右する大きなポイントは、家具・家電を持っていくかどうかです。
持ち込む場合
- 輸送費は高くなるが、愛着のある家具をそのまま使える
- 大型の本棚・ベッド・デスクなどこだわりのあるものを残したい方におすすめ
現地調達する場合
- 東京の物件サイズに合わせた家具を選びやすい
- 家電量販店やネット通販での購入が便利で、初期費用を抑えやすい
特に冷蔵庫・洗濯機などの大型家電は現地で新調する方が多いです。 東京の部屋は北海道よりコンパクトなことが多いため、サイズを測ってから購入するのがおすすめです。
インフラ契約の流れ
電気・ガス・水道・インターネットは、引っ越し前に開通手続きを進めておくと安心です。
- 電気・ガス・水道:引っ越し日の1〜2週間前までに手続きが理想
- インターネット回線:開通工事に1〜2週間程度かかる場合が多いため、特に早めの準備が必要。一人暮らしの方はモバイルWi-Fiを一時的に利用するのもあり
物件によって光回線対応状況が異なるため、内見時にインターネット環境を必ず確認しておくとスムーズです。
こちらもチェック! | 【コラム】引越し後に必要な「インフラの手続き」をくわしくご紹介
まとめ
北海道と東京では、家賃相場・契約ルール・生活習慣など、暮らしのあらゆる面で違いがあります。
- 礼金・更新料などの初期費用の有無
- 気候や環境の変化による生活スタイルの違い
- エリアごとの街の雰囲気や暮らしやすさ
こうしたポイントを事前に知っておくことで、安心して新生活をスタートできます。
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