不動産購入時の契約から引き渡しまでの流れは?

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不動産を購入するとき、契約成立から物件が引き渡されるまでにどのくらい時間がかかるかご存じでしょうか?
コンビニなどでの一般的な買い物であれば、代金を払えばすぐに商品が引き渡されます。しかし不動産を購入する場合は、契約を結んでから物件が引き渡されるまでの間にいくつかの手続きが必要になり、時間がかかります。 そのため契約後の見通しが持てず、不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
本記事では契約から物件引き渡しまでの流れを解説しますので、不動産購入を行う際にはぜひチェックしてください。

契約〜引き渡しまでの全体スケジュール

不動産の引き渡しは契約日ではなく、購入代金の支払い完了日になることが一般的です。
購入費用の入金と同時に売主が抵当権抹消登記(抵当権設定がある場合)と所有権移転登記を行い、その後物件が引き渡されます。ここでは契約から引き渡しまでの全体のスケジュールを紹介します。

1.買主が銀行と住宅ローンを契約し、購入代金を支払う

事前審査を済ませて、物件の売買契約が成立した後は、銀行に住宅ローンの正式な申し込みを行います。 必要書類を提出し、特に不備がなければ無事に住宅ローンの成立です。銀行と金銭消費貸借契約を結んだ後、買主の口座に入金されます。買主は融資金を使用して物件の購入代金を支払います。

2.売主が物件の抵当権抹消を行う(抵当権設定がある場合)

買主から支払いを受けたら、売主は抵当権を抹消するための登記が必要です。

3.物件の所有権移転登記を行う

所有権移転登記とは、物件の売買によって所有者が売主から買主に移ったことを証明するために必要な登記のことです。所有権移転登記は売主と買主が共同で行う必要があります。
2と3は購入の代金の支払いと同時に行われるのが一般的です。

4.必要書類・鍵の引渡し

購入代金の精算や書類上の手続きが完了したら、売主から買主のもとへ鍵が移ります。同時に、物件の測量図や管理規約、設備や備品の保証書や取扱説明書などの資料も買主に引き渡されます。

5.売主から買主へ物件の引き渡し

契約〜引き渡しまでの全体スケジュール

違約金発生に注意

物件の売買契約を結ぶと、その時点で売主と買主の両方がそれぞれいくつかの義務を負うことになります。そのため、契約書の内容に違反すると違約金が発生してしまうため要注意です。
売主の場合は物件の引き渡しの時期が遅れてしまったり、買主の場合は購入代金の支払いが遅れてしまったりすると契約違反になってしまいます。契約の段階で今後の予定に無理がないか確認し、契約後は必ず期日を忘れないように注意しましょう。

違約金発生に注意

銀行審査と金銭消費貸借契約について

契約が成立したら、契約前に事前審査を行った銀行で住宅ローンの本審査を申し込みます。本審査では、申込者の年収や購入する物件の情報をもとに住宅ローンの返済が可能かどうかを審査します。必要な書類が多いうえにすぐに準備できないものもあるため、早めに用意しておくことがおすすめです。
住宅ローンの本審査を通過したら銀行と金銭消費貸借契約を結びます。金銭消費貸借契約書に記載されているのはローンの金額や利率、保証などについてです。また、ローンを借りるための担保として住宅などに抵当権を設定する場合、同じタイミングで契約を行うこともあります。契約書への記入を先に済ましておくかどうかや契約に必要な書類などは銀行によって異なるので、必ず事前に確認しましょう。
契約に不備がなければ、指定した日に銀行から融資金が入金されます。自分の口座だけでなく、銀行から宅建業者に直接振り込んでもらうことも可能です。買主はこのお金を使って、購入した物件の代金を支払うことになります。

抵当権抹消と所有権移転について

買主からの購入代金の支払いがあると、売主は抵当権抹消(抵当権設定がある場合)と所有権移転を行うことになっています。どちらも法務局で登記の手続きが必要です。売主によっては司法書士に依頼する場合もあります。

不動産に設定されている抵当権は、買主に引き渡す前に基本的に抹消させなければいけません。 抵当権がついたままの物件は、所有権を移転したとしても銀行によって競売にかけられるリスクがあるからです。 抵当権を抹消するためには、物件を担保にしている住宅ローンを完済しなければいけません。売主は買主からの入金をローン返済に充てて銀行から抵当権抹消書類を交付してもらいます。
また、抵当権抹消登記と同時に所有権移転の手続きを行うことが一般的です。 所有権移転登記は、登記簿に不動産の権利を登録することで誰の持ち物であるのかを証明するために行われます。登記の際は売主と買主が共同で申請し、所有権が移った日から1ヶ月以内に手続きを行わなければいけません。

銀行審査と金銭消費貸借契約について

まとめ

不動産売買の契約が成立した後、買主が最初に行うのは住宅ローンの本審査申し込みです。 無事承認されたら、銀行からの融資金を利用して購入代金を支払います。支払いと同時に抵当権抹消(抵当権設定がある場合)と所有権移転登記の手続きが行われ、これによって物件を引き渡してもらえる状態になります。 売主・買主ともに契約書に定められた期日を守る必要があり、違反すると違約金が発生するので要注意です。
契約から引き渡しまでの流れを事前に把握しておくと、実際に自分が当事者になったときにスムーズに動きやすくなります。