はじめての賃貸管理〜賃貸オーナーが行うべき建物管理とは?〜

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賃貸物件のオーナーは、空室が埋まると一安心!と思うかもしれませんが、実際はそういう訳ではありません。
入居者が入った後も、家賃の管理、クレームの対応、退去の手続きなど様々な業務があります。 そのなかでも、日々行わなくてはいけない業務が建物管理です。今回はマンションやアパートの賃貸オーナーが行うべき建物管理の種類を紹介します。

共用部分の清掃・メンテナンス

マンションやアパートは大きく「専有部分」「共用部分」の2つに分けられます。専有部分とは各部屋などの住居空間のことであり、共用部分は専有部分以外の空間のことです。マンションでいうとエントランスやエレベーター、駐輪場などが共用部分にあたります。
賃貸オーナーは、この共用部分の清掃やメンテナンスを行わないといけません。
もし、共用部分の清掃が行き届いていないと、建物が汚れにより美観を損ねたり、害虫発生などの原因となります。その結果、入居者からのクレームや退去につながってしまうため、日々の清掃はとても重要です。

共用部分の清掃

日常清掃と定期清掃

オーナーは、建物の共用部分の清掃やメンテナンスをしなくてはいけません。共用部分とは、エントランスや廊下などの各部屋等の占有スペース以外を指します。これらは入居者全員が使用するスペースのため、清掃が行き届いていないと清潔感が失われ、入居者の満足度低下につながります。
この建物管理は、新築や築浅物件に関して、特に気を付けたほうがいい業務です。 なぜなら、新築や築浅物件を見に来るお客様は建物がきれいであることを想像して内見に来るからです。
新築であるにも関わらず、廊下が汚れていたり、エレベーターのボタンが指紋だらけになっていたりすると入居の意欲が低下してしまいます。また、築浅物件なのにエントランスの電気が切れていたりすることも管理が行き届いてない等の不信感につながってしまいます。
その結果、なかなか空室が埋まらずに時間だけが過ぎていくことになってしまいます。

設備トラブルの対応

マンションやアパートによっては、備え付けの設備としてエアコンなどが設置されていることがあります。もし、これが前入居者が残していった残置物であれば、前入居者が所有権を放棄したとして現在の入居者の資産となるため、現在の入居者が修理しないといけません。
しかし、備え付けの設備である場合はオーナーが修理することとなります。したがって、設備トラブルの連絡を受けた際の対応も、オーナーの管理業務の一つです。

消防設備の点検

消防点検は必ず行わないといけないと消防法で決まっており、消防設備士か消防設備点検資格者に依頼する必要があります。対象となる建物のオーナーは必ず手配するようにしましょう。
対象となる条件は、延べ床面積が1,000㎡以上の建物などです。
延べ床面積が1,000㎡未満(一部除く)であれば、資格の有無は問われないため、自分で点検することも可能です。ただし、地下または3階以上の階に特定用途があり、かつ、階段が屋内に1か所しかない防火対象物(不特定多数の人に利用される建造物)は有資格者が点検しなければいけないと法律で定められています。所有している物件が対象になるかどうかわからない場合は、不動産会社に相談しましょう。

消防設備の点検

消防点検には2種類あり、半年に1回実施する「機器点検」と1年に1回実施する「総合点検」に分けられます。
機器点検は、消火器や非常ベル、避難はしごなどに損傷がないか、正しく設置されているかなどのチェックを行います。総合点検は、それらの機器が正しく作動するかを確認するため、一部または全部の作動チェックを行います。部屋の中まで点検者が入る必要があるので、オーナーは総合点検を行う前に、その日程などを全入居者に伝えなくてはいけません。

入退去時のクリーニングやリフォーム

退去時のクリーニングは義務ではありませんが、次の入居者を早く見つけるためには有効な手段です。入居者が退去する際は、原状回復を行うのが原則となります。しかし、原状回復とは借りた当時の状態に戻すことではなく、入居者が故意・過失によって損傷が発生した部分のみ修繕することです。
この原状回復だけで終了させてしまうと、経年劣化によるクロス(壁紙)の黒ずみや、フローリングの変色などはそのまま残ってしまいます。その状態で希望者の内見を行ってしまうと、清潔感を重要視するお客様には敬遠されてしまうことが考えられます。
そのため費用はかかってしまうものの、空室リスクを避けるために、退去後のクリーニングを行うこともオーナーのするべき業務の一つと言えるでしょう。

管理会社に委託することもできる

ここまで、賃貸オーナーがするべき建物管理業務を紹介してきました。想像以上にやることが多く、大変だと感じた人もいるのではないでしょうか?実際、オーナーは他にも事業などを行っている方もいらっしゃるため、建物管理まで目が行き届かないこともあります。
そのときに有効な手段が、管理会社に管理を委託することです。管理会社に委託すると、賃貸に関する管理業務を任せられるため、オーナーの負担を大きく減らすことができます。また、遠方のマンションなどの管理を任せることもできるため、所有可能な物件の幅も広がります。
もちろん、管理会社に委託すると管理委託料が発生します。ですが、委託する費用とメリットを比較して、メリットのほうが大きくなるのであれば管理会社に委託する方が、時間を取られることがなくなるのでおすすめです。

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まとめ

今回は、賃貸オーナーがするべき建物管理を紹介しました。
建物管理を怠ると入居者の満足度が下がり、最悪の場合、空室ばかりになってしまう恐れがあります。入居者が満足して日々を過ごせるように、建物管理をしっかりと行うことが重要です。また、管理会社へ委託するという手段も頭に入れておくことで、より選択肢の幅が広がります。オーナーも入居者も気持ちよく過ごせる環境を整えていきましょう。

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