家を買いたい!銀行のローンの審査基準はどのようなもの?

  • 資金計画

ローンの申し込みをすると申し込んだ方にローンを利用できるかの審査がされます。
銀行のローンはどのように審査されるのか、審査基準はどのようなものなのかを解説します。

なぜローンに審査が必要なの?

融資したお金の返済が確実に行われるかを確認するために、ローンの申込に対して審査を行います。
融資したお金が返済されなければ、融資した銀行自体の経営が危うくなり、ひいては銀行に預金をした方にも損害を及ぼすからです。
銀行はお客様から預金の形で預かったお金を、ローンを必要とするお客様に貸し付けてその利息を利益として経営しています。 そのため融資したお金を返済してもらえなければ、銀行の経営が危うくなりますし、預金をしたお客様に対しても損害を及ぼすことになります。

ローンの審査はどのような流れなの?

ローンを利用したい方からの申し込みにより、必要書類の提出を受け審査が始まります。
ローン利用の手順は次のようにすすみます。

  1. 申し込み
  2. 書類の提出
  3. 事前審査
  4. 本申し込み
  5. 資金実行
ローンの審査はどのような流れなの?

1.申し込み

ローンの申し込みは銀行窓口で直接申し込むほか、インターネットや電話、申込書の郵送などによってもすることができます。

2.書類の提出

ローンの申し込みが受け付けられると、審査に必要な書類が通知されます。
通常は以下の書類が必要になります。

  • 収入を証明する書類(直近のもの)
  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)

3.事前審査

住宅ローンを利用する場合には、利用額が高額になることやその銀行では必要額が融資されないことが判明した場合、他の方法を考える必要があることから、本申し込みの前にいくらまでならローンが利用できるかをあらかじめ審査してもらうことができます。これを「事前審査」といいます。
事前審査は、返済負担率や担保評価のための審査を主に行いますから、収入証明書や購入物件の資料などが必要になります。

4.本申し込み

ローン利用の申し込みがあった後、事前審査の申し込みがあれば、事前審査の完了後にローン利用の本申し込みを行います。本申し込みを受けて銀行は正式に審査を行います。
ローン利用者が保証会社を利用する場合には、借入の申込を受けた銀行は保証会社に対しても審査資料を渡して保証会社が独自に保証できるかを審査します。
ローン利用の審査は、返済能力について行われますから、提出された収入証明書や信用情報機関に対して信用情報の照会をして、過去に延滞などの金融事故がないかを調査します。

5.ローン契約後に資金実行

ローンの融資が承認されると銀行との間でローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。
通常はローン契約時にローン利用者の印鑑証明書が要求されます。不動産を購入するための住宅ローンの場合には通常、抵当権を設定することになりますから、ローン契約と同時に抵当権設定契約も行います。

ローンの審査の基準とは?

国土交通省が毎年各民間金融機関に対して民間住宅ローンの実態に関する調査を実施し、その結果を公表しています。例年審査項目となっている項目は、以下の9項目です。

  1. 完済時年齢
  2. 健康状態
  3. 担保評価
  4. 借入時年齢
  5. 年収
  6. 勤続年数
  7. 連帯保証
  8. 金融機関の営業エリア
  9. 返済負担率
ローンの審査の基準とは?

1.完済時年齢・借入時年齢

現在は平均寿命とともに健康寿命も伸びてきていますから、働き続ける年齢もあがってきています。
住宅ローンでは完済時年齢を80歳を基準とし、借入時の年齢は65歳未満としていることが多いのが実情です。住宅ローンの返済期間は30年~35年で組む方が多いことから80歳までに返済を終えるためには45歳までが住宅ローンの適齢だといえます。

2.健康状態

ローンを返済するためには元気に働く必要がありますから、健康状態は返済能力を審査するうえでも重要になります。
団体信用生命保険がローンとセットで利用できる場合には特に健康状態が重視されます。

3.担保評価

銀行はローンの返済が滞ったときは、担保にしている不動産があれば担保不動産を売却してローンを回収します。
物的担保は、ローン回収の重要な手段ですから担保物件の価値がいくらかを把握する必要があるのです。

4.勤続年数

ローンを返済するためには安定した就業が必須となりますから、高額になるほど勤続年数を確認して就業状態を把握することになります。
国土交通省:令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 19ページ

ローンに通らない理由とは?

ローンの利用を申し込んだにも関わらず利用できない方には、それなりの理由があります。
ローンが利用できない理由は滞納リスクが高いためです。滞納リスクが高いと審査される理由には以下のものがあります。

  1. ローンの希望額が高額
  2. 以前に滞納履歴がある
  3. 就業先の確認ができない
なぜローンに審査が必要なの?

1.ローンの希望額が高額

ローンの希望額が収入に対して高額であればローンは利用しにくくなります。
貸金業法では総量規制が行なわれており、年収の3分の1までに融資できる額が制限されています。 総量規制はローンの申し込みをした金融機関だけではなく、他の借入があればそちらも合算して計算されます。

2.以前に滞納履歴がある

借入に関する信用情報は信用情報機関に一括して登録されています。 過去に返済が滞った情報も登録されています。 借入金だという意識が薄い携帯電話料金もローンの一種ですから携帯電話料金の滞納があっても事故情報となりますから注意しましょう。
また、1ヵ月の間に立て続けに数社にローンを申し込むような場合でも信用情報機関は同じですからすぐにわかります。
差し迫った状態がうかがえることから、このように期間をおかないでローンの申し込みがされているような場合にはローンが通りにくくなってしまいます。

3.就業先の確認ができない

就業状況は返済を確保するための重要な情報ですから、金融機関にローンを申し込むと金融機関は必ず就業先に在籍確認のために連絡をいれます。 このようなときにローン利用者の就業が確認できなければローンが通りません。
休業日が続くなど就業先に連絡ができない事情があるときにはあらかじめ金融機関に報告をしておきましょう。

目的に応じたローンを選ぼう

金融機関ではいろいろな状況に合わせたローン商品が準備されていますから、目的にあったローンを選びましょう。
ローンの利用目的によって金利や借り入れることができる金額にも違いがあります。

例えば

  • 自動車ローン
  • 教育ローン
  • 住宅ローン
  • カードローン

などがあります。
自動車ローンや教育ローン、住宅ローンなどはローンの利用目的が制限されています。
教育ローンには優遇制度があったり、住宅ローンでは担保がある分高額の借入ができたりとローンごとに特色があります。

ローン審査をスムーズに通すには?

ローンの審査基準は金融機関によって異なります。 ある銀行ではローンが通らなかったからといって他の金融機関でも通らないかといえばそうではありません。 いずれにしても、ゆとりあるローンの利用計画をたてることが大切です。
金融機関によってはホームページに診断サイトがありますし、予備審査を受け付けてくれるところもありますから、ローン利用の前に事前に確認をしましょう。
不動産業者は、さまざまなお客様のローン利用に立ち会っている経験がありますので、信頼できる不動産のスタッフに相談してみるのも一つの選択肢です。