住まいのローンの返済シミュレーションをしてみよう

  • 資金計画

不動産を購入するためには売買代金を現金で準備するか借り入れをして準備することになります。現在はかつてないくらいの低金利となっていますから、現金は予備にとっておいて借り入れをする方が多いです。借り入れを利用することにより住宅ローン控除の税制優遇も受けることができます。
今回はシミュレーションをするにあたって必要な用語の基礎知識と月々返済額のシミュレーションをする方法を解説します。

返済方法 元利均等法・元金均等法

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済方式」と元「金均等返済方式」とがあります。
「元利」とは元金(借りたお金の残高)と利息のことをいいます。

元利均等法

元利金の合計を月々同じ額にする返済方法です。

元金均等法

元金を毎月同じ額(原則として借入額を返済月数で割った金額)を返済していきます。このため利息が変わりますから、月々の返済額は異なります。元利均等方式であれば毎月一定額を支払えばよいので月々の予算が立てやすいことがメリットです。しかし、利息の総支払額は元金均等方式の方が少なくなります。
例えば、100万円を年利2%で、5年間で返済した場合
元利均等方式であれば51,636円(返済総額は1,051,636円)、元金均等方式の場合は50,606円(返済総額は1,050,806円)の利息を支払うことになります。

詳しくはこちらのコラム記事:住宅購入に役立つ!税制優遇制度をご紹介を参照してください。

返済方法 元利均等法・元金均等法

返済負担率

返済負担率とは、年間返済額が税込み年収に対してどれくらいの比率になっているかをいいます。

返済比率の計算式→(年間返済額÷年収×100)

返済負担率を計算する時に注意することは住宅ローンだけではなく、他の借入も含めて計算をすることです。
クレジットカードの支払いや携帯電話料金などをクレジット払いにしていれば加算されます。
また、返済負担率を計算するもとになる金利は、必ずしも現行の貸出金利ではないことがあります。これは審査のための金利を設けていてそちらをもとに支払計算をする金融機関があるためです。
住宅ローンは長期間にわたって返済を行う借入ですから、その間に金利があがってもきちんと返済できるかが審査基準になります。

返済負担率が高過ぎると月々の収支で住宅ローンの負担が大きくなり、家計を圧迫してしまいます。そのため金融機関では9割が返済負担率を審査基準にしています。

国土交通省:令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

目安として住宅金融支援機構が行っている公的融資制度のフラット35では、返済負担率を年間収入が400万円未満の方では30%以下、400万円以上の方は35%以上と制限しています。

【フラット35】ご利用条件:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

返済負担率

また、民間の金融機関では25%〜40%に収まるかが基準とされています。
なお、一般には20%〜25%の返済負担率におさまれば無理がないといわれていますが、家族構成やライフスタイルによっても返済可能な額は異なりますから、これからの出産や子供の就学などのライフイベントを想定しながら無理のない返済計画をたてましょう。

返済期間

住宅ローンを何年間で支払い終えるかが返済期間です。長期間であれば月々の支払いが楽になります(=返済負担率がさがる)が、その期間分に支払う利息の合計額も多くなり支払総額は増えてしまいます。
また、融資の審査では借入申し込み者が何歳で支払い終えるのかも審査の対象になっており、80歳までに住宅ローンを支払い終えるかが目安になっています。一方住宅ローンの返済年数は一般的には最長35年になっていますから、80歳までに支払い終えるためには45歳が適齢といえます。一般的な傾向を紹介しましたが、実際には金融機関によって返済期間についてもいろいろなバリエーションがあります。

返済期間

住宅金融支援機構のフラット50では返済期間を35年以上でも利用できますし、完済時の年齢を満81歳としているところや満85歳としているところもあるのが実情です。
80歳までには定年を迎える方も多いですから、完済時までにどのような就労状態かを思い描きながら老後にしわよせがこないようにシミュレーションしてみましょう。

金利 固定・変動

お金を借りると借りた元本に加えて利息を支払うことになります。
利息の計算方法には固定金利と変動金利とがあります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、詳しくはこちらのコラム記事:ローンを組むときに大切な金利の種類を参照してください。

固定金利

金利が一定期間一定の金利を固定金利といい、完済まで金利が変わらないタイプと一定期間が経過すれば変動金利との選択替えができるタイプとがあります。

変動金利

金融情勢の変化と連動して金利が変わるタイプの計算方法です。

シミュレーションの方法

住宅ローンのシミュレーションをするにはいろいろな方法があります。
金融機関の窓口はもちろん、不動産会社の担当者に尋ねても教えてくれる方もいます。
しかし、できれば自分自身でいろいろと条件を変えてシミュレーションをしたいものです。
自分でシミュレーションをするには

  • アプリ
  • インターネット

などの方法がつかえます。
インターネット上には、金融機関のホームページでも多く準備されていますし、税理士などが自分のサイトにおいていることもあります。利用するために登録が必要なホームページもありますが、登録不要でシミュレーションできるサイトもたくさんありますから、「住宅ローン 返済」「住宅ローン 返済 シミュレーション」などの検索ワードを入力して、いろいろなパターンでシミュレーションして無理のない返済計画をたててみてください。