不動産の「査定」について詳しく知ろう
- 売却
不動産を売却したいときに気になるのは「この不動産はいくらで売れるのか?」ということです。
そんなとき、まずは不動産の「査定」を依頼しましょう。
この記事では、不動産の査定の種類や方法について解説します。
不動産の「査定」とは?
不動産の査定とは、その不動産がいくらで売れるのかの見込み額を算定することをいいます。
不動産を売却する時には不動産会社に依頼することがほとんどですが、不動産会社との売却仲介では3ヶ月が一つの目安となっているため、多くの場合不動産会社では3ヶ月以内に売却できそうな金額を査定額として提示します。また、ほとんどの不動産会社は無料で簡易査定をしてくれます。
査定の方法
不動産を査定するには以下のような方法があります。
- AI査定(インターネット上での査定)
- 机上査定(不動産会社に依頼)
- 訪問査定(不動産会社に依頼)
AI査定(インターネット上での査定)
インターネット上で不動産を匿名で査定できるサイトがあります。
匿名のため、後日営業の連絡が入るなどわずらわしさがないところが利用しやすく良い点ですが、査定された結果はあくまでも「参考」価格として考えましょう。
この方法は、不動産の価格に興味があって、まずは査定を試してみたい場合に向いています。
具体的に不動産売却や住み替えを予定している場合には、査定額によって現在利用している住宅ローンの返済や住み替え先への予算などに影響するため、実際に売却不動産を査定してくれる不動産会社に依頼しましょう。
不動産会社に査定を依頼すると、机上あるいは実際に現地に行って査定をしてくれます。
机上査定(不動産会社に依頼)
現地には行かずに、資料から不動産の売却価格を計算する方法です。
立地条件や路線価、周辺の取引事例などから理論値として価格を割り出します。
一戸建ての場合はマンションやアパートよりも建物の個性が強いため、市場の平均価格と実際の売却価格に大きな差がでる場合があります。
机上査定はメールなどでも対応可能なため、おおよそで良いから査定結果を早く知りたいという場合に向いています。
訪問査定(不動産会社に依頼)
実際に現地を訪問し、詳しく売却不動産の状態をチェックする方法です。
訪問査定をしたときにチェックするポイントはこちらのコラム記事を参考にしてください。
訪問査定に必要な時間は30分〜1時間程度です。具体的に売却を進めたいときは、訪問査定を依頼しましょう。
不動産査定の流れ
不動産を売却したいときの査定の流れを整理すると次のようになります。
AI査定(匿名査定)
参考程度に不動産の価値を知っておきたい
机上査定を依頼
売却不動産の価格についておおよその目途をたてたい
訪問査定を依頼
具体的に売却を進めていきたい
訪問査定を依頼すると日程は以下のようになります。
- 訪問査定を依頼・訪問日時を決定
- 訪問査定に向けて準備
- 現地調査
- 査定結果の報告
査定前に準備するもの
査定の前に以下の資料を準備しておくと、査定がスムーズに有利に進みます。
戸建て・マンション共通
- 購入時の重要事項説明書
- 住み心地や周辺環境などのアピールポイントを整理
- 修繕やリフォームの履歴
- 固定資産税納入通知書や評価書
戸建住宅
- 境界確認資料
- 建築確認書や建築図面
- 土地の利用履歴
マンション
- 管理規約・使用細則
- 管理組合の総会議事録等
- 分譲時のパンフレット、間取り図
査定額の計算方法
不動産の価格を査定する方法は以下の3つあり、不動産会社はこれらの方法で計算した価格を総合的に判断して査定額を決めます。
- 原価法
- 取引事例比較法
- 収益還元法
1.原価法
査定する建物を取り壊し、同じ建物を建て直すといくらかかるかを仮定した費用(再調達原価)から築年数による減価修正をして価格を計算します。おもに一戸建ての場合に利用される計算方法です。査定額は「再調達原価ー減価額」となります。
建物の耐用年数については、国税庁の以下のサイトに掲載されています。
2.取引事例比較法
周辺の同じような条件の不動産が、実際にいくらで取引されたのかという成約事例を参考に売却価格を算出します。
マンションなど建物のつくりが似た物件で利用しやすい方法で、売却したい不動産のある地域の周辺で売買実績が豊富な不動産会社ほど似たような物件の取引事例をたくさん持っていると考えられるため、そのような会社を選ぶのがおすすめです。より実際に売れる価格に近い査定をしてくれるでしょう。
3.収益還元法
収益還元法は、収益と利回りに着目した計算方法です。
アパートや賃貸マンションなど、家賃収入のある物件の価格査定に利用されます。
家賃収入から必要経費である固定資産税、保険料、管理費用などを差し引いて純利益を計算し、求められる利回りで割って売却価格を算出します。
査定依頼の際に注意すること
自分でも調べてみる
査定された金額が妥当なものなのか、判断するために自分自身でおおよその価格を調べておきましょう。
不動産の価格の公的な指標には、以下の4つがあります。
複数の不動産会社に依頼する
不動産を売却するときには、ふだんから付き合いのある不動産会社があるなど特別な場合を除いて、初めから一社に絞らず複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。
複数の会社を見つけることが難しいときは、一括査定サイトを利用すると便利です。
会社ごとに査定額に差があるのは普通のことですが、飛びぬけて高すぎる査定をしてくる会社には注意が必要です。
中には、顧客獲得のためだけに高い価格を提示してくる会社も存在するからです。
このような場合には、高すぎてなかなか売却できないまま月日が経った結果、売り時を逃してしまい、安く手放すことになるおそれがあります。
査定を知って売却に活かそう
一口に「査定」と言っても複数の手段や方法があります。
簡易査定と本格的な査定では、予想される売却額が大きく変わることもあります。上手に活用し、売却計画に活用しましょう。